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カルロス・ゴーン氏の逃亡先レバノン|気になる中東
昨年(2019年)の大みそかに、突然飛び込んできた大ニュースと言えば、カルロス・ゴーン氏の逃亡劇。日産自動車に対する特別背任や有価証券報告書への虚偽記載により長期拘留され、起訴後に保釈されていたルノー、日産自動車元CEOの同氏が、隙をついて国外脱出し、中東のレバノンに現れたという事件だ。
90年代に経営の傾いた日産自動車を立て直してV字回復を果たし、名経営者と称賛されていた同氏がいきなり逮捕されたことも衝撃だったが、スパイ映画さながらの逃亡劇にはさらに驚かされた。
個人的にはゴーン氏の逮捕は、日産自動車内の社内抗争の果て、という色合いが強いと思っている。逃亡劇の後、安部首相も「本来、日産社内で片づけてもらいたかった」と漏らしたそうで、検察を巻き込んだ逮捕という形になったことが無理筋であったことを匂わせたように思う。ゴーン氏の高額報酬を批判する声も多いようだが、それは外国人経営者に任せる以上は仕方のないこと。嫌なら日本人が経営すれば良いのであり、日産社内の問題に他ならない。とは言え、国外逃亡は明らかな犯罪行為であり、ここは疑いの余地はないことはもちろんだ。
と、この問題はこれぐらいにして、ここではゴーン氏の逃亡先となり、現在も居住しているらしいレバノンという国について紹介していきたい。
私は20代の頃にエジプト、ヨルダン、イスラエルといった中東の国々を一人旅で旅行したことがあるのだが、その時は行けず、できれば死ぬまでに一度行ってみたいと密かに思っているのがレバノンだ。あの当時は内戦およびイスラエルのレバノン侵攻の影響冷めやらぬ時期であり、とても旅行できる雰囲気ではなかった。
約3,000年前にフェニキア人によって造られ、その後ローマ帝国により神殿等が建設されたバールベックの遺跡。ユネスコ世界遺産にも登録されている。
このバールベックを始めとして、レバノンは古代遺跡の宝庫である。また経済や文化・芸術の面でも、他のアラブ諸国とは違った特色を持ったユニークな国だ。
残念ながらイスラエルやシリアと隣接するという地理的問題から、これまでもパレスチナ問題やシリア内戦の影響を少なからず受けてきた。ただ本来は、ビーチもあり緑も豊かで、レバノン山脈ではスキーも楽しめる、観光資源に恵まれた国という側面もある。
外務省の海外安全情報によると、2019年8月現在、シリア国境付近はレベル3(渡航中止勧告)またはレベル2(不要不急の渡航中止)と比較的高い危険度に設定されており、残念ながらバールベック遺跡のあるヘルメル県はここに含まれているものの、地中海沿岸部に位置する首都ベイルートなどはレベル1(十分注意)とされている。
自由に一人旅のできた若い時分と違って、私が今後レバノンに旅行できるかどうかは分からないが、そんな私の密かな憧れの国レバノンについて、紹介していくこととしたい。
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