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映画音楽紹介⑤「愛のテーマ」ひまわり:ウクライナに思いを馳せて🇺🇦
こんにちは。映画音楽をこよなく愛するペリーです🌟
現在ロシアによるウクライナ侵攻が激化しています。
ウクライナの平和、そして世界の平和を願います🕊
今回は、ウクライナと関係の深い映画「ひまわり」から「愛のテーマ」をご紹介いたします。
ひまわりの花はウクライナの国花、そして平和の象徴です🌻
本記事がウクライナ情勢に対し今一度考える機会になれば幸いです。
映画『ひまわり』概要
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第二次世界大戦下、陽気なアントニオ(マストロヤンニ)と結婚したナポリ女のジョバンナ(ローレン)は、夫を戦争に行かせないために狂言芝居までするが、アントニオは地獄のソ連戦線に送られてしまう。
終戦後も戻らない夫を探すために、ジョバンナはソ連に向かい夫の足跡を追う。しかし、広大なひまわり畑の果てに待っていたのは、美しいロシア娘と結婚し、子供に恵まれた幸せなアントニオの姿だった…。
映画『ひまわり』は、1970年公開のイタリア・フランス・ソビエト連邦・アメリカ合衆国の合作映画。
戦争により関係を引き裂かれた一組の夫婦の悲劇を描くと共に、力強い反戦メッセージの込められた作品。
特に、地平線にまで広がるひまわり畑のシーンは心に残るものがある。
ひまわり畑は、ウクライナのへルソン州(当時ソ連)にて撮影された。
監督は、各映画祭で多数の受賞歴がある名監督ヴィットリオ・デ・シーカ。
主演はソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ。イタリアを代表する俳優達である。
★音楽はヘンリー・マンシーニが担当した。
数多くの映画音楽を手掛け、ジャンルもジャズやイージーリスニング、オーケストラ音楽等多岐にわたる。
代表作は「ティファニーで朝食を」、「ピンクパンサー」等。
マンシーニは同時期に活躍した作曲家ジェリー・ゴールドスミスやジョン・ウィリアムズとも親交が深く、彼らに多大な影響を与えた。
『ひまわり』の音楽は、第43回アカデミー作曲賞ノミネートを記録した🎊
「愛のテーマ」音楽紹介
《聴きどころ》
☞ピアノ・ソロとチェンバロの奏でる甘く哀しい主旋律
ジャンルでは、オーケストラによるイージーリスニングに分類される本作。
楽曲構成はAABAA'という2部形式+転調フィナーレという20世紀ポピュラー音楽に馴染み深いものとなっている。
曲全体は、ヘ短調を基調として重く切なさに満ちている。その一方で、聴いていて心地よい程の美しさも端々から感じとれる。高音域の弦楽の音色が、確かな愛を体現するかのような暖かく優しい空気で聴く者を包み込んでくれる。
主旋律を奏でるピアノ・ソロの音色は、情感豊かで力強い。その重く深みのある1音1音からは、ためらいと決意という相反する心情が交錯している様を感じ取れる。とりわけ、冒頭5小節目の和音を分散させて弾くアルペッジョが極めて美しい。和音構成も少しはみ出た陰りのある音第9音を含み、これがあらゆる感情を織りなす複雑な心情を見事に表現している。この部分だけでも既に心を奪われてしまう。
後半では、チェンバロのもの悲しげな音色にも注目だ。チェンバロ特有の鋭いと同時に繊細な音が音数少なくゆっくりと奏でられる。懐古の情と共に虚しさが聴いて取れる。
精緻なオーケストレーションにも耳が離せない。
主旋律の美しさもさることながら、吹奏楽の対旋律も見事である。また、曲全体を支える弦楽の重厚なハーモニーが、常に主旋律を惹き立てている。
クライマックスの嬰ヘ短調への転調が、曲の最後をドラマチックに盛り上げ締めくくる。
まるで静かに語る魂の告白のような音楽。
是非ウクライナの今に思いを馳せながら聴いてみてほしい。
最後に ー今私たちにできることー
これまで『ひまわり』の音楽について書いてきましたが、今起こっている出来事は対岸の火事ではないと改めて思い知らされます。
今この瞬間にも悲しい思いをされている方々が必ずいらっしゃるはずです。
なぜこうも歴史は繰り返されるのか、胸が締め付けられる思いになります。
平和な世界に向けて、私たちが今すぐにできることは何でしょうか。
何か行動を起こすことは、とても勇気のいることです。
まずは今のウクライナ情勢に対して関心を深める。私はこれだけでも勇気ある行動の一つだと思います。関心を持つことが新たな行動に繋がるきっかけになるからです。
与えられる影響が微々たるものであっても、小さな行動の積み重ねが後に大きな結果となって返ってくると信じています。
今回の記事がそんな'小さな一歩'の足掛かりになれば、私は嬉しい限りです。
最後まで読んでいただき誠にありがとうございました🌟
これからもたくさん珠玉の映画音楽を紹介していきます。
今までの記事整理のため、次回は再来週に投稿する予定です。
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では、またお会いしましょう👋
幸せな一日をお過ごしください。
新たな音楽との出会いを楽しみましょう✨
是非お越しください♪
参考文献
映画『ひまわり』ヴィットリオ・デ・シーカ監督 1970年
“Sunflower” Henry Mncini, Royal Philharmonic Orchestra, https://youtu.be/Y-f2-CCRPyI
映画『ひまわり 50周年HDレストア版』公式サイト, 2020, http://himawari-2020.com
"SUNFLOWER – Henry Mancini", Craig Lysy from 'MOVIE MUSIC UK', https://moviemusicuk.us/2014/02/19/sunflower-henry-mancini/
'第43回 アカデミー賞(1971年)' 映画.com, https://eiga.com/award/oscar/1971/
在ウクライナ日本国大使館:エピソード集 映画編 https://www.ua.emb-japan.go.jp/jpn/info_ua/episode/2movie.html
Henry Mancini Official Website, 2018, http://www.henrymancini.com
「ウクライナの危機を前に、いまわたしたちができること」, IDEAS FOR GOOD 編集部, 2022, https://ideasforgood.jp/2022/02/28/ways-to-help-ukraine-conflict/
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