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重視するのは機能性?コスパ?デザイン?人気ドライヤーブランドとユーザーの価値観分析
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「御洗髪は1週1度!」
これは1935年のシャンプーの広告のキャッチコピーです。
週一はちょっと衝撃的ですよね、、、
(日本髪時代まで遡ると月1という頻度。頭痒くないのだろうか)
わたしは、毎日髪を洗いたい派です。疲れてお風呂に入らず寝落ちしてしまったとしても朝にはシャワーを浴びないと嫌なタイプです。
現代でも「毎日洗わない方が髪にいい」と言われたり、海外では毎日洗う人の方が少ないという話もききますが、それでも私は毎日洗いたいので、なるべく髪や頭皮にやさしいシャンプーとドライヤーを選んでいるつもりです。
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上の年表にあるように、洗髪の回数は「5日に1回→週に2.3回→毎日」と増えていき、洗髪の新しい習慣として「朝シャン」が流行したりと、時代の変遷とともに洗髪の頻度はどんどん上がっていきました。
シャンプーの品質が向上し洗い上がりの髪の調子が格段によくなり、痒みなどのトラブルも減って快適になったことで洗髪が習慣化され、人々は自然と"髪の毛"に関心を持ち始めました。
洗髪頻度が上がる=髪を乾かす頻度が増える。ということであり、そういったことがきっかけになりドライヤーが「髪を乾かすだけのもの」から「ヘアケア美容家電」へと進化していくというその後の運命を決めたターニングポイントだったのかもしれないですね。
近年、ドライヤーはどんどん進化しており、髪の毛が痛まないような機能はもちろん、頭皮ケアができたり、顔に当てると美肌効果が得られるものまで登場しています。
機能の進化に比例して価格も上昇しており、その選択肢は幅広くピンキリなのが現在のドライヤー市場の実態です。(8万円のドライヤーが発売された時には空いた口がふさがりませんでした。笑)
今回はKnownsBizを用いて、そんな技術・価格が上がり調子なドライヤー市場の中で特に人気な美容家電メーカー3ブランド(ナノケアシリーズ(Panasonic)、ReFa、サロニア)を比較分析してみます。
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既にリサーチ中の方もいるかもしれませんが年末はセールがあるのでドライヤーの買い替えを検討するには一番お買い得なタイミングかもしれません!今のシーズン的にクリスマスプレゼントにもいいですよね。
大人気の3社なので、みなさんが気になっているドライヤーも入っているのではないでしょうか?
最後まで読んでいただいた方は、きっと自分に合うドライヤーはどれなのか、それぞれの特徴がわかるようになっているはずです!
大手メーカーの安心感。ナノケアシリーズ
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ナノケアの認知率は63.0%でReFaとサロニアを圧倒しています。満足度は4.16です。
パナソニックが出しているナノケアシリーズはいくつかラインナップがあり、その価格は2~3万円前後です。
2022年9月にはコンパクト化&軽量化され、技術がアップデートされた新作が38,610円で売り出されています。
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Knowns Bizのデータによると、ナノケアの顧客は40代が一番多いという結果です。30~40代で59.6%と顧客の約6割を占めています。
顧客セグメントの円グラフをみると女性が59%、既婚が56%、子供なしが55%となっており、5:5や4:6の分布で大きな偏りはみられません。
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ソシエタス分析では、”期待値高め(他人に対して厳しい)”、”ハラオチ型消費"、”倹約家”、”コスパ消費”の数値が他のブランド利用者よりも高く、納得のいく価格とクオリティを求めるしっかり者な顧客の特徴が読み取れます。
他にも"良いもの良い価格消費"も同じような心理と考えられます。
また、“安定思考”、”定番消費”も高い割合を占めていることから一番知名度が高いパナソニックのナノケアシリーズを選択することに納得ができますね。
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ナノケアシリーズは、機能性を売りにしているブランドです。
髪の毛の水分を奪わないだけでなく、髪を守るキューティクルの密着性を高めるナノイー&ミネラルが浸透することでドライヤー後には髪が潤うという技術が特徴的です。
さらに、最新モデルではセンサーで温度をコントロールしたり、風量が強く速乾が叶うなど「風」にもこだわっています。
そういったハイテクなドライヤーのため、上図のイメージ分析で"先進・テクノロジー"のイメージが1位に来ていることは自然な結果だと感じます。
また、前述したようにパナソニックという大きな企業の商品なので、"安心・安全"や"ベーシック・定番的"といったイメージが大きいですね。
新しいものにチャレンジしてみようという気持ちよりも、自分が安心して"良いもの"を"納得のいく価格で"手に入れたいユーザーに好まれていると分析できます。
"映え"もサロニアの武器
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サロニアの認知率は18.3%、満足度4.19となっています。
5000円代のコスパのよいドライヤーを出しているブランドです。
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ナノケアとは対照的で10~34歳と若い世代にグラフが集中しています。
利用者の78%が女性と、圧倒的に女性が多いのも特徴的です。
また、ソシエタス分析の社会的価値では”独身ライフ謳歌"の項目が高くなっており、ここでも若い世代が多いことが読み取れます。
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消費的価値の分析を見てみると、”ジャケ買い消費”のクラスターが多くなっています。
サロニアはシンプルでスタイリッシュなデザインが好評なので、ブランドのイメージと顧客の好みが一致していますね。
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サロニアのイメージ分析によると、他のブランドと比較して"利便・合理性"や"コスパ・経済性"が上位に来ています。
サロニアのドライヤーは風量が十分にあり、5000円代のドライヤーの中では機能も申し分なく、若い世代が購入しやすいドライヤーです。
またデザインもおしゃれなので、イメージ分析でも他より"映え系・いいね"が高いパーセンテージを示しています。
通常カラーはマットのホワイトとブラック+ジェンダーレスカラーのグレーとネイビーの4色展開ですが、最近秋冬の限定カラー、ベージュとオリーブが発売され話題になっていました。
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隠して収納しなくても、インテリアとして溶け込んでおしゃれですしSNS映えもしますよね。
実際にインスタグラムにはユーザーのレビュー投稿やインフルエンサーのタイアップ投稿が山ほどあります。
消費的価値の分析で"ネタ消費"のクラスターがいちばん多いのもこの部分から読み取れます。
若い世代の女性層からの人気は獲得していますが、ジェンダーレスカラーという名で色を展開している面を見ても、男性にもっと広めたいといったところでしょうか。
YouTubeチャンネルでドライヤーのHOW TOやヘアアイロンを使ったスタイリングの仕方も紹介しており、色の展開だけではなく、多方面で男性顧客獲得へ向けた企業努力が伺えます。
美容オタクに響くリファ
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ReFaの認知率は17.4%、満足度4.07です。
美顔ローラーで有名なReFaですが、最近大きな注目を集めているのがドライヤーです。
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顧客の年齢分布では30~34歳と45~49歳のグラフが大きく伸びています。
ReFaのドライヤーは4万円超えの超高額商品です。(最近コンパクトタイプが発表され、今はヘアサロン限定販売中)
価格が高く、美容代=自分への投資という観点から35~44歳に多くいると予想される"子育て繁忙期”にあたる人々が他と比べて少ない結果につながると考えられます。また子供有無の円グラフでも、全体で”子供なし”の方が多いと示されていることから、子供がいる家庭に置き換えると手がかかる"子育て繁忙期”にはなかなかReFaの購入へ至らない傾向があるのではないかとも推測ができます。
女性のユーザーが74%と出ているように、本体やパッケージなども全て女性をターゲットに絞ったようなデザインです。
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ソシエタスクラスター分析を見てみます。
個人的価値観の”自己愛強め”や”コツコツ努力家”のパーセンテージが高く、美容への関心の高さが見てとれます。
消費的価値観では、”見極め消費”や”レビュー熟考型”が多いことからリサーチをしてから購入するタイプであると言えます。
ReFaはインターネット上に沢山のレポート記事があったり、インスタでも「ReFa ドライヤー」とタグ検索をすると1.3万件以上の投稿があり口コミを見つけやすい点も人気の理由かもしれません。
また、“プレミアム消費”や”ステータス消費"、”ブランド消費”がランクインしている点から、高額でも自分の価値観に合えば購入に至る傾向があると分析できます。
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Knowns Bizの調査による「相関ランキング」でもメイクアップやスキンケアが10位以内に多く入っていることから、ReFaの購買者は"美容オタク"と言えるでしょう。
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ReFaのドライヤーは、センサーが表面温度を感じ取って一定の温度以上にならないよう、温風と冷風を自動で切り替えながら乾かすハイテクな面も兼ね備えたドライヤーです。
このシステムにより、頭皮や毛先の痛みを最小限に抑えることができます。
ハイテクノロジーなドライヤーであることは間違いなく、イメージ分析にも"先進・テクノロジー"が7位にありますが、それよりも"ラグジュアリー・贅沢"、"上品・優雅"、"リラックス・リフレッシュ"、"ステイタス・優越感"などが上位にきています。
ReFaは「自分の気持ちがあがる」ラグジュアリーなドライヤーブランドとして、「自分へのご褒美」的な感覚がナノケアやサロニアに比べると高いと言えます。
まとめ
ドライヤーが人気のナノケア、サロニア、ReFa。
実際に3社を比較分析してみると、各々でこだわりや強みが違っていてターゲット層も異なることが明らかになりました。
ナノケア「機能性と安心感が売り」
顧客の6割が30~40代
顧客は"機能と価格"に納得感をもって利用したいと思っている
大手企業の商品という安心感があり認知度も高いことから、安定思考のユーザーから選ばれている
サロニア「コスパと映えが売り」
コスパがよく、10代から30代前半の女性に人気
スタイリッシュでおしゃれなデザインが"ジャケ買い消費"の顧客の価値観とマッチしている
映えやいいねを求める"ネタ消費"の需要が特徴的
ReFa「機能性と高級感が売り」
30~34歳と45~49歳の女性がメインユーザー
美容に関心の高い"自己愛強め"の顧客が多い
"ラグジュアリー"や"ステイタス"などのイメージが強く機能以外の付加価値がある
ドライヤー市場は価格帯も幅広く付帯している機能も様々な種類があります。豊富な選択肢の中から自分のニーズに合うものを選べるということは、消費者からするととてもありがたいことです。また、これからもますます技術開発も進み競争が激化するでしょう。
そういった点でとても充実しているマーケットだと言えます。
髪を乾かすだけの家電だったドライヤーが時を経て、「美容家電」としてここまで進化したと考えると感慨深いですよね。
人々の美意識の向上と、企業努力の相乗効果が生んだすばらしい技術の結晶だと思います。
筆者のひとこと
先日家族旅行で沖縄に行きました。宿泊したのは2022年の3月にオープンした新しいホテルです。
そのホテルの部屋や大浴場にはなんとReFaのドライヤーが置いてありました。
ReFaのドライヤーを以前からずっと使ってみたかった私は、ホテルにそれがあると知った時点で行く前からウキウキ。
それと同時に、すべての部屋にReFa(43000円)のドライヤーを置くって一体いくらかかるんだ…とちょっと引いてる自分もいました。笑
そして旅行初日。
いざ待望のReFaとご対面です。
大きな洗面台の端に、それは置いてありました。
専用のスタンド(3300円)に乗せられて。
そのたたずまいはまさに「上品」でした。
書きながら初対面の興奮を思い出しつい筆が進んでしまいましたが、見た目の解説はさておきお話ししたいのはその使用感。
乾かしてみると、わたしの癖っ毛がたちまちにさらさらに!
ドライヤー後、普段なら横に広がりがちな私の髪の毛はとても素直に下へ伸びていたのです。
自宅ではうねりにくくなるシャンプーとナノケアを使っていて、お風呂上がりでも割とまとまるのですが、(今までいろいろ試して、やっと今の組み合わせにたどり着きました。)旅行先にはいつものシャンプーは持っていかなかったので、正直ホテルのシャンプーではいくらReFaでも…と半信半疑でした。
だから、乾かしながら本当に驚きました。さすがReFaだ…と。
美容院帰りにさらさらの髪が風になびいてウキウキする様に、ReFaで乾かした髪が動くたびにゆれたり、ベランダに出たら沖縄の風に吹かれたり、それはそれはハッピーでした。
「そんなに?笑」と思うかもしれませんが、女の人って髪の毛のコンディションひとつで本当に気分があがるんです!
一昔前まで、ホテルのドライヤーはあんまり性能が良くないというイメージがありました。
けれど最近はいいドライヤーを置くところが増えていると言います。
今回はReFaでしたが以前宿泊したホテルにはダイソンのドライヤーがありました。
確かにせっかくの旅行なのに髪の毛がきしんだり、まとまらなかったりすると気分も沈んでしまいます。
ホテルのサービスはそこまで拡大しているんですね。感服です。
それだけ、人々の髪への意識が高まったということなのかもしれません。
おかげで、心も体も満たされたとっても満足感の高い沖縄旅行になりました。
ちなみにそのホテルの名は…「HIYORIオーシャンリゾート沖縄」です。
ReFaを使ってみたい方はぜひリフレッシュも兼ねて利用されてみるのもいいかも?(回し者ではありません笑)
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