38 大学入試指導をやってみた~国立二次試験対策をめぐる雑感~
本日もこのエッセイをクリックいただきありがとうございました。
本年1月に大学入試の共通テスト終了後、知人の国立大学二次試験対策を個別指導で請け負いました。
今の私は仕事で英語を使うことはまれにあり、仕事外では自己研鑽のために英語を勉強している身で、将来は現場で英語教育に携わりたいと思う者です。
私にとって、今回の受験指導は英語指導の経験値を得る貴重な機会でした。
同時に、人生の節目に立ち会うことの重みを精神的プレッシャーとして受けました。
本日は、日記のような形で、日々感じたことを雑多に書き記していきます。
1.指導方針は「いかに効率よく合格点まで達するか」に尽きる!
指導当初は、英語を仕事を使う立場として、何か気の利いたことを指導に織り込み、差別化を図りたいと考えていました。
しかし。
実際は、入試対策として、いかに無駄なく点数獲得に至る筋道を示すことができるか。
この一点につきました。
英語の面白さを伝えたい、というきれいごとは二の次で、合格点を推測し、最短ルートで合格点に達するかを追求する必要性を感じました。
私自身、事前に10年分の過去問を解きました。
問題を解くだけでなく、どこがわかりにくいのかを予想し、指導の要点を探りました。
これらの準備は非常に時間を要しました。
それまでの自分の英語学習の習慣を二の次にして準備に取り掛かったわけですが、英文法の参考書や英和辞書を数多く索引する作業は、今までわかっていた気になっていた粗い理解度に気づくことができました。
ほんと、大変でしたが…。
2.問題文が面白い!
私自身が受験生だったころは、大学入試問題に対する批判を多く耳にしました。
「使えない」「古い」「重箱の隅をつつくようだ」など。
今回、二次試験問題を読んでみたところ、面白い!と感じました。
まるで英検の長文問題と同様、読み取った知識が生活に活かせたり、知的好奇心を刺激する素晴らしい英文ばかりでした。
英文は非常にこなれていて、和訳問題も出されていましたが、直訳ではわかりやすい日本語を作出できないことが度々ありました。
意訳せざるを得ないと判断したことがありましたが、これがどのように採点されるのか、非常に興味がありました。
その点で、二次試験の対策の難しさを感じました。
3.二次対策は難しい!
個人的に調べた限りでは、国立二次試験対策を行う講座を見つけられませんでした。
知り合いの現役大学生10名ほどに聞いてみていも、「二次対策は自分でやりました。」「学校も塾も二次対策なんてありませんでした。」という声ばかりでした。
私自身やってみて、難しさを痛感しました。
共通テストの長文と異なり、実際に公刊されている書物から引用されるなど、生の英語が出題されている点がポイントです。
前置詞の用法がなにか、とか、断定できない文章を度々目にしました。
さらに、記述式の問題についての特典をどの程度まで試算するかわかりませんでした。
現時点進んでいる指導方針が合格に向かっていけてるのか、不安を抱えながら取り組んでいました。
4.実力の伸びは実感できる!
生業として長年受験指導に携わり、経験値があれば、合格圏の実力があるか感覚で分かりそうですが、私は的確に分かりませんでした。
ただ、伸びてる感覚を確かに感じられる場面は何回もありました。
英作文の回答を見ても、英文和訳の回答を見ても、進歩を毎回感じることができました。
共通テストが終わってから一カ月強の短い期間ですが、実力は間違いなく伸びる。
そう確信しました。
だから諦めたらダメだ。
今後、そのように指導していきたいと思いました。
実際、無事に合格できたので安心しました。
しんどかったですが(笑)
大学生活を満喫して、たくさん良い思い出を作り、たくさんの良い友達と出会えて、卒業後に大学に進学してよかったと思ってもらえるような素晴らしい時間を過ごしてもらいたいと願っています。