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52.【随想】 私も「ロイヤルホストで夜まで語りたい」
書店で平積みにされていた『ロイヤルホストで夜まで語りたい』に思わず手が伸びました。
私自身、結構、ロイヤルホストにはたくさんの思い出をいただいております。
この本を読んで、私もロイヤルホストへのオマージュとして少し語らせていただきたいと思います。
私の思い出の場所は東京「ロイヤルホスト桜堤店」。
初めてその店をみつけたのは、コロナ禍真っ只中。
営業を取りやめたり、営業時間を短縮していた飲食店にあふれていた2020年末のころでした。
高級食材で、敷居が高いと思っていたファミレス「ロイヤルホスト」がコロナで閉まっていて、衝撃を受けました。
このままでは、高級志向の「ロイヤルホスト」がつぶれてしまうのではないか。
心配しました。
例え開店していても、客の入りはまばらであった飲食店が多かった時期です。
このままつぶれてしまうのは残念だし、寂しい。
そう思い、あまり行ったことのないファミレスになじむため、さらには、金額僅少であっても、営業継続の力添えになるのであれば、と思い、開店していた土曜日の日中、店に入りました。
広い店内。
広いテーブル。
お昼過ぎでも少ないお客。
寂しい雰囲気でしたが、スペースを占有できている優越感を感じました。
じっくり腰を据えて店内を時間を過ごして気づいたこと数点。
パンケーキがおいしい、ドリンクバーのカフェラテもおいしい、椅子と机の高さが私にとってドンピシャで心地よい。
ここで読書や勉強してみたい、と感じました。
次以降、英検1級二次試験対策のため、そして、全国通訳案内士試験対策のために、空腹を満たすついでにお邪魔する機会が増えました。
閑散とした店内で、集中して「カフェ勉」を満喫しました。
ここでの勉強したのは全国通訳案内士試験の「歴史」と英検1級二次試験対策でした。
良い環境のおかげで、「歴史」は無敗でした。
さらに、英検1級二次試験にも無事合格できました。
「これからもここでゆっくりさせてもらおう」
そう思ったのですが。
2021年から2022年にかけて、次第に飲食店にお客さんの数が戻ってき始めました。
なじみの「ロイヤルホスト桜堤店」も、時間を問わず、にぎわうようになってきました。
食事の時間帯を避け、間食のためにお邪魔して、名物パンケーキにドリンクバーを注文するようにシフトチェンジしました。
さらに時がたつにつれ、時間帯を問わず、お客様にあふれる頻度が高くなっていきました。
コロナ禍から抜け出し、正常な生活に戻りつつあることを体感しましたが、自分の居場所を失った感があり、少し寂しく感じました。
そんな時に心温まる接客をいただいたことがありました。
「ロイヤルホスト桜堤店」は、ソファー席、テーブル席、そして一人用のカウンター席がそろっています。
混雑気味の時間帯には、店員さんに、店内のカウンター席を申し出ていました。
とある、雨が降りそうな気配漂うどんよりした日。
ちょっと分厚い本を読みたいと思ってお店に伺い、カウンター席を申し出ました。
応対いただいた女性の店員さんは、「テーブル席でどうぞ」と窓際にある明るいテーブル席を案内してくださろうとしました。
私は「いや、長居させてもらうので、カウンター席でお願いします。」とやんわり断りました。
すると店員さんは、外を見て、「いや…、今日は多分…、混まないと思いますよ。」と、マニュアルにない言葉。
そして、再度、テーブル席を勧めてくださいました。
お言葉に甘えて、テーブル席に座らせてもらいました。
幸い、店員さんの予言どおり、あまり混まないまま時間が経過し、ゆっくり読書させてもらいました。
また別の日、日曜日の朝早い時間帯に行くと、近くの席に座っていた小さいお子さんがドタバタ元気よく暴れたことがありました。
保護者の方は、新聞に目を落とし、お子さんにあまり構わなかったのです。
私は気にならいほど集中して本を読んでいたのですが、会計の際、店長さんが「ご迷惑おかけしました」とお詫びされたのです。
あぁ、店長さんは気遣っていただいていたのだな。と思うと、自分がお店から歓迎されている客であると実感し、お店を訪れたことに喜びを感じました。
落ち着いた雰囲気、座り心地のよいソファー。おいしい飲み物に食べ物。
さらに店員さんから感じられた心理的な温もり。
東京のカフェ、ファミレスは、今の時代、どこに行っても人があふれています。
そんな東京で、コロナ禍に見つけた都会のオアシスが「ロイヤルホスト桜堤店」でした。
「ロイヤルホスト桜堤店」のおかげで、私は全国どこでも、ロイヤルホストを利用するようになりました。
最後までお読みいただいてありがとうございました。