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TOKYO ART BOOK FAIRに行ってきました

東京現代美術館で先日行われた「TOKYO ART BOOK FAIR」に初めて行ってきました。

前々から行きたい行きたいと思っていたんだけど、コロナで中止になったり、タイミングが合わなかったりで、今回、念願かなっての初参加です。

僕もいつかは出店したいなぁ、と思いつつも、「ART」の名を掲げて美術館で行われるということで、僕が作るZINEよりもアート寄りの作品が多いのだろうな、とは思っていました。今すぐ出店したいというよりは、いつか出店するためにもとりあえず一度見ておこう、という感じです。

美術館の廊下や展示室に様々なブースが並ぶ様子は、出店数、お客さんともに、文学フリマ規模の大きなイベントなのですが、文フリとはだいぶ違う部分もあってなかなか新鮮でした。

まず、販売されてる作品が違う。やはり予想通り、同人誌というよりは写真やイラストなどのアート系のZINEが主流でした。

僕の「民俗学エンタメZINE」みたいなタイプのZINEもないわけじゃないんだけど、やはりアウェーになるな、というのが僕の感想。

そして、作品が違うのなら、売り方も違う。

会場を歩いていて僕が思ったのが、「全然説明文がない」

文フリなどのイベントだと、『お品書き』みたいな形で「こういうジャンルでこういう内容の作品です」と、作品の説明をする文章があるのをよく見るのですが、TABFだとそういうものは全然見ない。

何の説明もなく、イラスト集とか写真集とかが置いてある。

どんな写真集なんだろうと手に取ってみると、アメリカの国道の信号機が写ってたり、車から降りた女性が背中を向けてたり、こりゃいったい何の写真集だ……?

説明を求めようにも、売り子が欧米の方だったり、文章がハングルで書かれてたりで、説明してもらってもしょうがない、なんてこともしばしばでした。

これはやっぱり、文フリとTABFの作品・客層の違いからくるものなんだと思います。

文フリはやっぱり、ラノベっぽい同人誌だったり、マニアックなZINEだったり(民俗学をテーマにしたやつとかさ)、オタクな人が集まりやすい印象。そして、オタクというのはとにかく「情報」が大好きです。だからブースにおける説明、すなわち情報の量も多くなる。

一方でTABFはアート系のZINEが主流です。

アートの場合、「説明が多い」というのはかえって邪魔になってしまうのかもしれません。アートは情報や理屈で理解するものではなく、イメージでつかむもの。理屈抜きで心に訴えかけるもの。そう考えると、余計な説明文は不要なのかもしれません。

文フリでは「お品書きを用意しましょう」「声かけをいっぱいしましょう」「SNSでさかんに発信しましょう」などとよく言われるけれど、文フリでは常識とされてることが、TABFでは常識とは限らない。これは目からうろこでした。

もう一つ興味深かったのがブースの装飾。

アーティスト、クリエイター、デザイナーが集まるようなイベントだと思ってたので、デザインフェスタのようにブースの装飾も凝ったところが多いんじゃないかと思っていったのですが、別にそんなに装飾には凝ってなかったなぁ、という印象でした。

考えてみると、デザフェスは雑貨の販売が多いです。おしゃれな雑貨のウリは実用性よりも、部屋の中に飾ることを目的としたもの。つまり、空間演出です。空間演出がウリの雑貨を販売するからこそ、ブースという卓上の空間も凝ったものになる。

一方、同じアート系でもZINEの場合は雑貨に比べると空間演出に重きは置いていません。

表紙の時点で十分にそのZINEの世界観を体現しているので、過度な空間装飾というのは必要ないのかもしれません。ZINEよりもブースの演出の方が目立ってしまったら本末転倒ですから。

おなじ「販売イベント」でも、何を売るか、どんなお客さんが来るかで、全然違うんだなぁ。

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