感情を考察することで人生を豊かにする
先日、阿川佐和子さんの著書「話す力」を読み終えました。
以前、阿川さんの著書「聞く力」も読んだことがあり、それがきっかけで本書を手に取ったのですが、今だから正直に言うと、「自分にとって『聞く力』は大切なことに思えるけど、『話す力』はあまり重要視していないけどなぁ」と思いながら購入したことを覚えています。
結論から言えば、「とても面白かった」です。この気持ちには嘘偽りはありません。
しかし、「本書を読んで話す力が身についたと思うか?」と問われれば、「いいえ」と答えます。
以前に読んだ「聞く力」も、今回の「話す力」も同様なのですが、ノウハウ本のはずなのに「役に立った」という感じより、「面白かった」という感想のほうが強いということに、少し不思議な気持ちになっています。
「これは、どうしてだろう?」
・・・と考えたときに、「私自身が阿川さんの著書をノウハウ本としてではなく、エッセイ集として読んでいるからではないか」という結論に至りました。
つまり、言い換えると・・・
「阿川さんご自身が面白くて、阿川さんの文章も面白い」
・・・ということではないか、と思いましたが、ここでさらなる疑問が浮かびました。
「私にとって面白いと感じる文章とは?」
私自身、普段から読書を日常の娯楽の一つとして楽しんでいますが、どんな本でも面白いと感じるわけではなく、やはり自分の好みに合う本と、そうでない本があるのは事実です。
「その二つを分けるものって何だろう?」と考えてみましたが、この答えはまだ明確にはなっていません。おそらく「読みやすさ」という要素があるんだろうとは考えつつ、それ以外の要素が何なのか、そして「自分にとっての読みやすい文章とは?」についての考察はできていません。
こうして考えていく中で、私は「自分の感情に対する考察が足りていない」という事実が浮き彫りになったように感じています。
何らかの要因で、自分の心の中に生じた感情について、「なぜそう感じたのか?」を深く掘り下げて考察していく作業をしていなかったな・・・と思うのです。
感情を考察し、細分化することで、自分にとってより良いものや人を選んだり、苦手なものや人を避けることができたのではないか・・・その結果、自分の人生がもっと良くなっていたかもしれない、と考えています。
決して簡単なことではないことは承知していますが・・・
「もっと自分の内面にフォーカスしていくことを怠らないようにしたい」
そう思えたことだけでも、阿川さんの著書を読んだ意味があったように感じています。