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昼下がり、ベンチにて。

最近よくこの公園に来る。そばに川が流れていて、昼間でも外で過ごしやすくなった最近は僕にとって絶好ののんびりスポットだ。風に乗って微かに川の匂いがする。それも良い。今日はここで記事を書こう。

昔からの癖で何か熱中するものがあると文字通り寝食を綺麗さっぱり忘れて何時迄も続けてしまう。プラモデルなんか16時間ぶっ続けで作っていた事もあるし、ゲームなんか3日間寝ずに攻略法を探したりしていた。今の僕にとってのそれは彼女とこの記事と最近できた小さな夢についてだろうか。

一番最初に書いた記事

自己紹介がてらに書いた記事は実は彼女からはまあまあの不評であった。"面白いかもだけど、何やってる人なのか分かんない"忖度無し、直球ドストレートRPG7である。だがこの時の僕は何故か快くこれを受け入れられた。だから2記事目が誕生した。

なるほど今読み返すと本当に何者か分からない。今となっては馬鹿みたいに彼女の事が好き過ぎる何でも分解人間といった印象は与えられている事だろう。そうだよ、、なんか文句ある!???!?

そうだ。僕らの事を書こう。

心のどこかでずっと僕らを何らかの形にしたいとは思っていた。だから彼女の絵を描いたし僕らの絵を描いていた。何らかの媒体を通して僕らを記録していたかった。記事を書いたのは全くの思いつきだったが最初の記事を書いてからふと思い立った。

"そうだ。僕らの事を書こう"

ここからは薄れていく記憶との勝負だ。僕らに起きた出来事のその細部に至るまでを忠実にその時の感情を文字として再現しなければならない。だから全てをありのままに書いた。心の底から楽しめたし僕としては彼女の好きな部分を再認識できた。彼女も面白いと言ってくれたし続きが見たいとも言ってくれた。でもね、他でもない続きを作るのは僕ら自身なんだ。だからどうか君の物語に僕をずっと登場させといて。名脇役を演じてみせるよ。君のサイドキックとして、パートナーとして、相棒として、冒険仲間として。

小さな夢

僕は僕らのミームをより多くの人へ伝播させたい。そうして色々な所で僕らのミームを受け取った誰かが何かの拍子で僕らの事を思い浮かべればその人の世界でも僕らは大なり小なり、登場人物になれる。僕らは僕らという枠組みを超えて更に大きくなっていくだろう。この世界に現存するちっぽけな1つの愛の形として。

正しさとか正義とかそんな物ではない。それは人や時代や見方によってはすぐに悪に変容するから。つまらないし短絡的だ。

そうじゃない。間違いも愚かさも、時として痛みだって内包したカオスそのものが愛だろう。だから美しく見える。単純に綺麗なものを眺めたいのなら片田舎の田園風景でも眺めておけば良い。

だから僕はこのグロテスクな部分をできるだけ忠実に言葉に落とし込んで記録していたい。そしてそれをミームとして何処かの誰かの記憶に留めておきたい。

あの日祖父が言っていた事

"いいか?全部許せ。全部だぞ?何が起きても全部許せ。それくらいでかい男にならなきゃお前は俺の孫じゃあねぇ!"

川の水面を眺めていたら思い出した。幼少期の僕はこれを言われた直後に、わんわん声を上げて泣いたのを覚えている。あの時の祖父はなぜこんな事を言ったのだろう。時々思い出す祖父とのエピソードの中でも特に心に残っている場面だ。

今になってジワジワとその意味が分かり始めた気がする。生きている上での苦しみや悲しみや、それ故の愛しさや慈しみや喜びやその全てを全身で受け止めて、どんなに喉につかえても飲み下してやろう。それで全部消化して僕のものにしてやろう。思えば祖父もそんな人だった。何が起きても怒りは外に向かない人だった。昔、水害で家が流された時でさえ"更地になっちまった!"なんて笑っていたらしい。なんて豪胆な人なんだろう。

だからこそ僕はこのカオスを記録して、分解して、噛み砕いて飲み下す。そして僕らとして産み落とす。

大昔に錬金術師が金や生命を作ろうとした様に僕は僕と君とで僕らを創る。

さて、メインランドで仕事だ。
帰ったらさ、また鱗粉かけてよ。
それじゃ、行ってきます。


今日はここまで!
いつかまた与太話を。
んじゃ、また!!

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