アルエ
白いブラウス似合う女の子
何故いつも悲しそうなの?
窓際に置いたコスモスも
綺麗な顔項垂れてる
青いスカート似合う女の子
自分の場所を知らないの
窓際に置いたコスモスも
花びらの色を知らないの
いつか君はブランコに揺られて
幼気な目を少し伏せて
悲しい顔で俯いた
アタシは1人で平気なの
そんな歌があった。この作詞者は当時アニメのヒロインに宛ててこの曲を書いたというが、こんなにも誰かさんに対して声を大にして歌いたくなる歌はない。彼女は普段、滅多な事が無けりゃスカートなんか履かないが、白いブラウスも青いスカートもきっと良く似合う。それに花もよく似合う。
ハートに巻いた包帯を
僕がゆっくり解くから
日向に続くブリッジを探しておいで
哀しい時は目の前で
大声出して泣いてよ
そんな寒いとこ今すぐ出ておいで
彼女は絶対に涙を見せない。意地でも堪えて喉の奥に哀しみとか虚しさとかそんな類のものを詰め込みまくって黙り込む。それこそ窒息する程詰め込む。僕は成す術無くしてついつい言葉ばかりを彼女へ送ってしまう。本当に大事なのはそんなものじゃない事くらい嫌と言うほど分かっちゃいるが、本当に思っている事を伝えずにはいられない。きっと本当は彼女はそんな事にはもうとっくに気が付いてるはずなのに。
僕の大切なアルエ
1人で見ていた夕焼け
僕も一緒に見ていいかい?
僕も一緒に居ていいかい?
僕の大切なアルエ
本当はとても寂しんだろ?
僕はいつでも側にいる
僕がこれから側にいる
君は人より少しだけ
不器用なだけの女の子
"嬉しい時どんなふうに笑えばいいかわからない"
全く不器用が過ぎる。どんな男の子にもモテてしまう様な容姿と性格をしているくせにいざ本当に自分が甘えるとなると甘え方もその限度も分からない。だから何処まで甘えて良いかも分からない。結果として限度を超えた甘えや感情の露出が相手を呆れさせ、苦しませ、嫌われる事にビクついている。全く何を心配しているんだと叱りたくもなるが、僕は僕で彼女にどこまで干渉して良いかが分からない。怒ったことなんて無いし、彼女の前であからさまに嫌な顔をしたことも無い。それを知った彼女が哀しむのが怖いからだ。だから恐る恐るお互いに手を伸ばしあって少しずつそのラインを日々引いていく。
ハートに巻いた包帯も
もうすぐ全部解けるよ
怖がらないで素顔を見せてごらんよ
嬉しい時に笑えたら
哀しい時に泣けたら
そんな寒いとこ今すぐ出てこっちへおいで
ブリッジで撮ったスライドは
君が生きてるって証拠さ
暖かいひだまりの中で一緒に手を叩こう
アルエ
どれくらい彼女の包帯に触れられただろう。分からない。もしかしたら僕は今の今までちっとも触れていないのかもしれない。素顔だと思っていた顔がもし違っていたら、嬉しい笑みも、哀しい顔も全て間違いだったら、そんな不安を毎日抱えてゲロを吐きそうになる程胸を締め付けられて生きている。結局のところどれだけ愛を伝えあっても本当の意味でお互いがお互いの気持ちを完全に理解し会える日は永遠に来ないのかも知れない。でもそれもいつかひだまりの中で共に手を叩いて笑いあうためなのだ。ちっとも苦しくなんかないと言えば嘘になるがこれは必要な痛みだと思う。
僕は弱音を吐いたり悪態を吐くのが嫌いだ。それを口から出したが最後、本当にそうなってしまいそうで怖いからだ。だからいつも虚勢を張って意地を張る。平気なふりをして笑っていればいつか本当に平気になりそうな気がするからだ。
本当はズダボロだ。もうこれでもかって程ズタズタだ。自信がない訳でもないし、何か哀しい訳でもないのに彼女を思うといつも不安だ。彼女も同じく不安だと思う。どうすれば僕らはこの不安に勝つことができるんだろうか。
そんなことばかり考えていたら昼休憩が終わっていた。
今日はここまで!
またいつか与太話を。
んじゃ、また!!
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