20231226

 少し寒さが和らいできた。年明けも暖かくなる予報だが、例年は成人の日にいつも雪になったりするので、束の間の寒気の休息なのかもしれない。寒いと、体温を維持するのにもエネルギーを消費するのですぐに眠くなる。朝も起きづらい。わたしは幼少期から剣道をやっていたが、冬に「寒稽古」と呼ばれる、早朝から道場で一時間ほど練習を行う習慣があった。まだ日も昇らない暗い時間に起き、顔を洗って、母親が雪平鍋で沸かしたホットミルクにティーバックを入れて作ったミルクティーを一杯だけ飲んで、道着に着替えて親に送ってもらって道場に通った。木の床は、裸足で踏み込むと、足の感覚が無くなってくるほどに冷たかった。それでも、声を張り上げて身体を動かしていれば内から温まるものだから不思議である。日が上り始めて白んだ空の下に出ると、心なしかスッキリとした気持ちになった。二度とやりたくはないが、あれはあれで一つの経験だった。しかし、わたしと弟のために早起きしてミルクティーを作り、送迎してくれた母には深く感謝している。

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