ながらく書き続けている小説でなかなか掴めないでいたモチーフに関するアイデアを思いついた気がする。まだ小さなぼんやりとした感覚だが、これからいろいろと資料を読み込んで具体化していきたいと思う。パッチワークのようにある一つの完成された物語ではなく、過去に生成したテキストの断片を繋ぎ合わせて再び命を吹き込む。それがわたしが小説を書くという行為なのではないか。ベンヤミンがパウル・クレーの《新しい天使》という絵についてこう語っている。
きっと、わたしが書きたいのもこの瓦礫の山であり、それは〝わたし〟という存在の中に埋もれた記憶と時間と思考のないまぜになったものだ。