20230828
東浩紀の『訂正可能性の哲学』(ゲンロン叢書)発売を記念したサイン会の様子がYouTubeで放送されていたので、久々に観ようと動画サイトに飛ぶとなんと七時間五〇分という長さが表示されて少し笑ってしまうと同時に変わっていないなと安心した気持ちになった。その中で『世界は五反田から始まった』(ゲンロン叢書)の筆者でもある星野博美が後半登壇して東とゲラについて言及していた話がとても印象深かった。漢字を開いたり、表記に関する編集の指摘にうんざりするというところから、日本語が書き言葉と話し言葉で学術的に統合できていない難点についての東の指摘、口述筆記はせず鉛筆で書き綴る身体感覚で書き言葉を操るという星野の執筆姿勢など「書く」という行為、日本語という言語について改めて考える示唆を与えてくれた。