20240803

 河野哲也『アフリカ哲学全史』(ちくま新書)を読み始めた。哲学といえば、ギリシャ哲学をはじめとする西洋哲学を中心にイスラム圏、インド、仏教や儒教をはじめとする東洋哲学などどうしても西欧を中心に考えがちで、人類の始祖が生まれたアフリカの地で哲学があるということを誰も顧みなかった歴史がある。本書では、デカルト、カント、ヘーゲルに至るまで黒人差別をしてきた人種主義の哲学に異を唱え、アフリカ哲学を紹介するとともに西洋、東洋、アフリカと三点に力点を置くことでこれまでの思想の片寄りを相対化しようとしているという。
 たしかにアフリカというと砂漠に土着的民族というイメージばかりが先行していて、とても哲学をそこに見出すことができていなかったのは事実だ。まだ冒頭だが、興味深い内容で驚きの連続である。

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