20230627
マルカフェ茶道部に参加した。冬乃くじ(a.k.a.きさめ)さんが部長を務める、初心者でも気軽にお茶を点てながら、茶道について学ぶ開かれた部活動である。きさめさんは立派な着物姿で、以前お会いした時とはまた印象の違う、凛としたものだった。事前にネットで茶道の起源や成り立ちまでをざっと知り、あまりの流派の多さにまず驚いた。きさめさんは表千家を十年ほど学ばれていて、カジュアルな場で指導も許されているそうだ。本格的に茶道を学ぼうとすると、着物、茶具や場所などかなり高くつくという。そういう意味で抹茶、季節の和菓子を味わえるほか、それぞれ「茶」にまつわる文学作品の言葉を色紙に筆ペンで書き込み披露したり、高価な茶碗できさめ部長の点てたお茶を最後に頂けることを考えれば、2500円(税込)というのはお手軽である。わたしは最近、日本古典に興味を持ち始め、その文化を学ぼうと参加した。昨年から興味を抱き始めたモダニズム建築は産業革命で都市に密集する人々の劣悪な住環境を解消するためにコンクリートを用いた簡素で早く多くの人が快適に暮らせるよう、機能性とシンプルさとがデザインとして昇華されていった。茶室が狭く閉ざされた空間であることについて、日本の建築家である白井晟一は「思索の空間」というエッセイで、日本の茶室について――茶は個の対立を認めず、情緒の統一をうとんだから人間集合の場として、最小限の空間を作ったのだろう。――と語っている。茶道には、おもてなしする側とされる側が一対一で対等にその場では煩わしさなどから解放されるようにすべての動作に意味を持ち、洗練された様式美がある。当然、四百年近く前に大成した茶道は一朝一夕で理解できるわけはなく、奥深いものだと思い知った。また参加してみたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?