20230603
午前中まで昨日の雨が残った。午後からは嘘のように晴れた。最近は小説に対する迷いが生じている。こればかりはどうしようもない。ひとまず公募の原稿を仕上げなければならない。こうして日記を書いているのも、その悩みを書くことによって乗り越える祈りのような行為である、と近頃は思っている。こう書くと、途端にスピリチュアルめいてくるが物質、科学的見地から遠く離れるということを希求しているからかもしれない。佐々木中『切り取れ、あの祈る手を――〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』(河出書房新社)でも宗教改革は聖書を読み込むことから始まったと書かれているし、テキストを読むということは不可能であると言っている。そこには無限の解釈が存在する。どれだけ遠くまで行けるのか、テキストにはその可能性にこそ魅力があると思っている。