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映画 『ロシアン・スナイパー』
必要な場所(国)に英雄は現れる
原題は「セヴァストポリの戦い」。独ソ戦の前半、クリミア半島のセヴァストポリで活躍した狙撃兵リュドミラ・パヴリチェンコの話。
英語も達者だったので、最初から戦中のアメリカ訪問が描かれる。激戦を生き残ったネタバレをしたとしても、ロシアとウクライナ国民には周知の事実で問題ないほどの英雄。
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戦場シーンは敵陣の背後から待ち伏せて狙撃する過酷な状況を彩度の落とした画で表現し、演技も含めて派手な英雄譚はない。弾着や這い回る様子も、容赦なしで俳優たちを責め立てる。
ラスト近くになると史実と違う感じもするが、女性が敵に立ち向かった事実を、後世に伝える役目は充分に果たす映画だと思う。