あの素晴しいコード進行をもう一度
1971年4月5日に、元フォーククルセイダーズの北山修が作詞、加藤和彦が作曲し、シモンズのデビュー曲として用意されたが、2人がボーカルをとって発表した曲。
KEYはB♭でアコギの軽やかなアルペジオとファーーーーーーーーーーーーーとストリングスが重なるイントロの後にズンチャ ズンチャというリズムとベースが合わさるAメロが始まる。
命かけてと 誓った日からすてきな想い出 残してきたのに
恋人が付き合いたてに交わした会話だろう。このフレーズのあとにB♭の平行調Gmから始まるBメロに変わり、同じ花を見て美しいといった心が今はもう通わないと、歌った後にサビ
あのすばらしい愛をもう一度
こ こ の !
あーの すばーらしい あーいを のところでE♭→D7→Gmとjust the two of us進行を想起させるようなコード進行が使われている。
just the two of us進行とは1980年サックス奏者のグローヴァー・ワシントン・ジュニアが曲の中に用いたことで広まったコード進行で、別名丸の内サディスティック進行と呼ばれ、あいみょんの愛を伝えたいだとか
BONNIE PINKのA Perfect Sky
で使われている。個人的な感覚だとこれを使ってキーボードをならしたら大体おしゃれに聞こえる。ただあまりにも使われすぎているので、メロディーとかアレンジを工夫しないと、「また、この進行かぁ」となってしまう。
これを曲全体ではなくサビの始めに使うことで、素晴らしい愛をもう一度が強度を増して伝わってくる。歌メロと歌詞とコードが上手く混ざり合って、きれいな灰色を生み出している。
ベースは最初から最後まで丁寧に小節の1拍目を刻み続けている。
2番のAメロでは赤とんぼの歌を一緒に歌っていたようだ。もしかしたら小学校の幼馴染か幼稚園の時の幼馴染なのかもしれない。
Bメロでは一緒に夕焼けを追いかけている。手垢のついた表現だが、エモい
部活終わりの高校生かもしれない。なにもカップルに限ったことじゃない。
サビであの素晴らしい愛をもう一度と歌い、3番に入る。その瞬間に
B♭→Dm→G→Cと進行してKEYはB♭からCへ全音上に転調する。そしてこの転調が私が一番好きなところであり、すごいと思ったところなんです!
B♭から見てみるとDmはKEYB♭KEYのダイアトニックコードに含まれている(Ⅲ度の音)ので、自然につながる。このDmが重要で、今度はCの視点からコード進行を見ると、Dm→GからCへと続く。このDm→G→Cは音楽理論的にはKEYCからみた251進行で、JAZZやR&Bなどで使われる、有名なコード進行のパターンである。マルーン5のSunday Morningはずっと251である。
転調前のダイアトニックコードを起点としてさらっと251を行い、しれっと全音転調するやり方にとても感動した。パクりたい。
この2つのコード進行テクニックを含めてもう一度聞きたくなる。焚火を見ているかのように穏やかな気持ちで、いつまでも聞いていられる曲だとおもっています。さあ、もう一度再生してみませんか?
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