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お客様目線に立って営業するとは、結局どういうことなのか

新人営業の頃、「もっとお客様目線で行動してほしい」と言われ、「具体的にどうすればいいんだ、、、」と悩んだ記憶があります
。当時、自分としてはお客様にとってのベストを考えて行動しているつもりでした。そのため、「もっとお客様目線に立って」と言われた時は、上司に対して「これ以上どうしろと言うんだ、、、」。

あれから5年たち、「お客様目線に立つとはこう言うことなのでは?」という考えが自分なりにまとまってきました。今回は、5年前の自分にアドバイスするような気持ちで、「お客様目線の営業とは」を書きたいと思います。

私が考えるお客様目線とは

お客様目線に立って行動するとは、「お客様にとって何が重要かを理解するために、お客様の言動や周辺情報を集めて、仮説を持って打ち合わせに臨むこと。打ち合わせでの質問を通じて、仮説を検証していくこと」です。

というのも、自分が発注側になって初めて分かったのですが、「社運をかけたプロジェクト」と、「片手間でさっさと終わらせたいプロジェクト」では、営業に求めるスタンスも違うから。

社運をかけたプロジェクトの場合だと、上司や社長を説得する必要があるので、多少時間がかかっても、彼らが納得するような情報が欲しいと感じます。逆に、片手間でさっさと終わらせたいプロジェクトは、ネクストアクションをクリアにしてくれたり、判断基準を整理してくれたり、レスポンスが早かったりするとかなりありがたい。

では、営業をする中で、お客様が本当に何を気にしているかを知るにはどうすればいいのでしょう。

答えは、「お客さんに直接聞く」だと思います。ただ、「何に困ってるんですか」「何が今気がかりなんですか」とダイレクトに聞くと、お客様も「この人何も考えてないな?」と感じてしまいます。

だからこそ、お客様の言動や背景情報から、「このあたりが不安ではないか」という仮説を立て、それをもとに議論を進める必要があります。そうすることで、お客様が何を見ているのかが少しずつ見えてきます。

仮説を立てるために、着目すべきポイント

お客様が気にしていることには、さまざまな観点があります。以下に整理します。

1. お客様のタイプ
・エモーショナル重視:感覚的に「イケてる」と思うかどうか。たとえば、「めっちゃこの提案いいですね!」「なんかよく分からないんですけど」など、感覚ベースの言葉が多い。
・ロジック重視:論理的に証拠(エビデンス)があるかどうか。たとえば、「その理論はどこからきているんですか」「どうやって効果測定しているんですか」など、証拠や論拠を求める言葉が多い。
・政治重視:上司が気に入るか、社内が説得できるか。「上司はXXXと言っているんですけど」「〇〇さんを説得するには〜」など、自分以外の関係者に対する言及が多い。
※どれか一つのタイプに分類されるということは稀です。どんな人でも各タイプを持っているけど、どれかがより濃く言動に出る、というイメージです。

2. お客様の経歴や背景情報
・所属部署や役職、過去の経歴(LinkedInで確認できます):たとえば、新規事業の部署に在籍していた方なら、新しいアイデアを試すのが好き、といった傾向があるかもしれません。
・打ち合わせに誰が出席するか(大人数 or 1人、管理職を連れてくる or 担当者一人で来る):大人数の場合は、プロジェクトの真の推進者が誰なのかを探る必要があります(たとえば、いっぱい質問をしてくるのは担当者だが、決裁権があるのは上司なので、上司の方が何を気にしているかを、意識的に探るなど)。

3. プロジェクトの重要度の把握
・会社内でのプロジェクトの立ち位置
:日経新聞などでその会社のニュースを調べるのも良いです。大きなプロジェクトの場合、関連するニュースが出てきます。
・お客様個人が考える、プロジェクトの重要度:昇進がかかっているような重要なプロジェクトか、片手間で済ませたいプロジェクトか。これを探るには、お客様が、自分に問い合わせてきた内容以外に、どんな仕事をされているのかを聞くのが良いです。
前述の私のように、他にも10こプロジェクトがある!という方と、今問い合わせているプロジェクトに専念しています!という方では、営業に何を求めているかが変わります。

4. お客様の個人的な事情・興味関心
・個人的なことを話したいか、ビジネスライクでいたいか:たとえば、スマートフォンにオードリーのステッカーを貼っている人がいたら、オードリーやお笑い好きなのかもしれません。そうしたちょっとしたきっかけから、個人的な興味を聞いてみるのもいいでしょう。
※ただ、趣味や家族のことなどをオープンに話したい方もいれば、プライベートの話はあまりしたくない方もいます。あまり自分のことを積極的に話されない人の場合は、むやみにプライベートに踏み込むことはやめましょう。

終わりに

お客様目線に立つためには、お客様の言葉をその通りに捉えて対応していくだけでは不十分です。お客様が見ている世界や、抱えている願い(昇進したい、業務が多すぎて外注したい、社運を賭けたプロジェクトで失敗したくない)について目や耳や手を使って情報を収集し、仮説を立てる。そしてそれを質問を通じて深めていく。このようなプロセスを通じて、お客様の見ている世界を共有することだと思います。

その上で、その上で自分たちの専門知識を活かし、お客様に新たな視点や知識を提供できると、「お客様目線に立った営業」に近づけるのではないでしょうか。

かなり難しいことですし、いつも仮説が当たるとは限りません。私も何度も空回りしました(遠い目)。ですが、あの時諦めずにお客様のことを考えていた時間が、今の私を助けてくれています。愚直にやっていこ〜!

今日はここまで!


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