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観賞感想文 イタリア映画「道」

一昨年書いた感想文を再編しました



観賞感想文 イタリア映画「道」


短編「贋の季節」、梅崎春生の作品、
スキです

なんで好きなのか?
哀しさ? 舞台設定?
滅び/終焉への静かな下降線?
登場人物?


終焉に向かいながら、が
わかっていても
交わされる言葉の数々が
響いたのかもしれません


贋の季節の舞台は
旅芸人の一座だったと
思いますが

それにも通じるところのある、
(と勝手に思ってる)
名作「道」、
あらためて
全編を丁寧に拝見しました

1954年の作品だそうですから
敗戦後数年くらいの
ロケ撮影だったのでは、、と推測。。。


白黒映像ではありますが
哀しい色合いが
感じられました

ニーノロータが放り込む音が
悲哀をあおるのは
もちろんなのですが
無言映画とトーキーの
中間のような無音の表情の長さも
音の効果を際立たせています


ニーノロータが
ラッパ好きなのか、
脚本にラッパがもともと
織り込まれていたのか、
わかりませんが、
登場する小道具も魅力的です

ラッパは、
ロータリーバルブにも見える
平べったい側持ちの
トランペット(コルネット?)、

伸縮式ではなくバルブ式の
トロンボーン(バストランペット?)。

そして、
よんぶんのいち(?)バイオリン、

太鼓。。。


有名なテーマ旋律は
ラッパで、バイオリンで、
声で、断片的に奏でられ、
最後のほうの足跡明かしにつながって
いきます



終わりに向かっての
モヤモヤ三連発(二連発?四連発?)、
このあたりが幸せの落ち着きどころ、と
いうのを通り越してしまう、

現実(なわけないか。。。)の
厳しさ/哀しさ、たまりません


選択肢は
いろいろ示されてたように
思います

生まれた家か旅か、
オート三輪か四輪車か、
芸を覚えての旅まわりか
役に立ってるかわからぬままの旅か、
優しい旅芸人集団か二人旅か、
一ヶ所に落ち着くか旅か、
など

画像1

   ※写真は、イタリアではないですが
    南欧某所の路面です


結局選ぶ道、選んだ道は
一つだったのですが

その一つから二人が離れた時、
全ては終焉に向かってしまうのでした。。。


さらに その後はどうだったかのか は
さっぱりわかりません、モヤモヤ。。。


何度も見返してみたい映像でした
(なんと、昨年、
 日本で舞台化されてたのだとか、
 しりませんでした)


贋の季節、映像化したらよいのにと
長年思ってきたのですが、

「道」が既にあるので、
かぶっちゃうところがあるのかも、と
いうことに気づきました

このモチーフ、梅崎春生が先だったのか
フェリーニが先だったのか、
が気になります。。。


  ※駄句蛇足をおひとつ

    凍え空
     鼓音喇叭
     (コオン ラッパ)
     押す背
      足揺らぎ

  (大意: 寒さの行く手、
       暫し停まり
   聴く背のmusic
       耳に名残り
   響く鼓に押され
       進むヒダリ)

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