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#小説
糸子教授の人生リセット研究所
北川糸子という科学者が人生リセット装置を発明した。人生をリセットさせる依頼も請け負っているらしい。
何とも怪しげな話である。怪しげではあるが、そういうところに儲け話は転がっているものだ。履歴書を手に意気揚々と、人里離れた場所にある人生リセット研究所の門をくぐれば、面接してくれたのは当の教授本人だった。
「山口あやさん。事務を希望、ね」
「はい。先生の素晴らしい発明の噂を耳にしまして、是非ここで
本とキム子とスイカバー
人口よりも野鳥が多い。住宅地より田んぼが広い。市に昇格なんてもってのほかで、今時住所に郡がつく。
7月のある日、そんな町の裏山に流れ星が落ちた。
落ちた星は四方八方に光を放ち、この町を包み込んで消えた。偶然近くを飛んでいたテレビ局のヘリコプターがその様子を撮影し、超常現象だと騒ぎ立てた。
けれど、本当の超常現象はこの後起きる。
きっかけは、テレビの取材を受けていた町の人間が突然空に浮かん
トイ・プードルが知っている
私の名前は高枝こずえ。どうして名字が『高枝』なのに名前が『こずえ』なのかを話せば長くなる。長くなるけど要約すると、ひいおばあちゃんの名前をもらった、そういうことだ。
職業は中学生。成績は優秀な方で生徒会長もやってる。陰で『氷の女』と呼ばれているけど気にしていない。気にしてないよ、陸上部の部長。運動場使用禁止令はまだ解除しないよ。陸上部全員でその辺グルグル走ってろ。
そこまで思いをめぐらして、