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ご案内|本の装ひ堂には、文庫のサイズが2つあります。

ハンドメイドのブックカバーを販売なさる方は、この世の中、とても多いと思っています。 でもそのうち、読書を趣味となさる方がどれくらいいらっしゃるのかなと、ふと考えます。

ブックカバーの形というものは、大体に於いて似たり寄ったりですから、なるほど、ブックカバーを縫う技術をお持ちの方はきっと多いのだと思います。
でもそれは本を読む人にとって、最良のものなのだろうかと、10年経った今も考え続けています。

弊店がブックカバー製作を始めてからというもの、一番考えて、今も悩み続けているところ。 それは、栞を付けることでも、マジックテープを付ける発想でも、柄選びや裏地の色を決めることでもありません。

では、何を?

それは、ブックカバーという在り来たりな形のものであるにも関わらず、ちょっと違うだけで使いやすさを左右してしまう、部品を配する位置であったり、大きさであったり、長さであったり…なのです。

厚みのある本と薄い本、兼用でカバーを使う場合、栞紐やマジックテープの位置をどこにすべきなのか、どのくらいの長さ、大きさが必要なのか。そもそもマジックテープに代わるものはないのか。あるとしたらメリット・デメリットは何か。
表紙を挟み込む折り返し部分の幅は、深すぎると差し込みにくく、浅すぎると抜けやすい…どのくらいの幅が適当なのか。
抑え紐も、厚みの違う本それぞれに柔軟に対応出来る位置はどこなのか。

など。

添付の写真は、いわゆる『文庫本』と呼ばれているサイズで、国内の主なレーベル(いろいろ抜けてはいますが)を、自分の本棚から取り出して撮影してみたものです。

さてお気づきでしょうか、この背の高さの違いに。
文庫本と一口に言っても、各出版社によって異なり、大きく分けると3段階のサイズがあります。(左側の3冊がそうです)
写真でもお分かりの通り、一番大きな『解錠師』(ハヤカワ・ミステリ文庫)と、左端の一番小さな『キングを探せ』(講談社文庫)は、その差、実に8ミリもあるのです。
厚みの違いには目が届いても、文庫本という括りに高さの違いがあろうとは、本好きさんであってもなかなか気づかない事実のようで、大抵の方は、縦横に関しては同一規格だとお思いのようです。
ですから、この事実を知らないままに製作すると、早川書房の文庫本が入らないという事態を引き起こすことになります。

実際に本を読む店主にとって、この差は大問題。 何故なら店主自身も、過去に購入した市販のブックカバーで、大きさが合わずに使用できないという悲しい経験を繰り返しているからです。

本の装ひ堂の基本のブックカバーは、一般的な文庫用ブックカバーよりサイズを大きくしています。
もちろんそれは、早川書房の文庫サイズに対応するためです。
でもそれは言い換えると、3段階のサイズの小型グループの文庫本には大きく感じられるものという意味でもあるのです。(もちろん小型、中型に使えます)

カバーには好みがありますので、弊店のものがベストだとは、勿論店主も思ってはおりません。
でも、一般的に対応出来ず、諦めてしまっていた大きめサイズの文庫本に、『当たり前に』対応出来るカバーが、世の中に一つくらいあってもいいかなと考えています。

『トール文庫サイズ』にハヤカワ・ミステリ文庫を着けた場合。
『トール文庫サイズ』に講談社文庫を着けた場合。


このことに関してこれまで、説明文の中で軽く触れていた程度に過ぎず、告知の徹底がなされていなかったという私の不手際の為に、サイズについて疑問を感じられる方もいらっしゃったようです。
この場で、ご忠告に感謝申し上げるとともに、改めて告知をさせていただきます。

本の装ひ堂のブックカバーは、大型サイズの文庫本対応を考えておりますため、基本の文庫サイズは、一般的な市販のカバーよりも背が高い仕様となっております。
弊店ではそのブックカバーを便宜上『トール文庫サイズ』と呼び、一般的な大きさ(小型・中型)の文庫カバーを『小さめ文庫サイズ』または『Sサイズ文庫』と呼んでいます。

本の装ひ堂では『トール文庫サイズ』がデフォルトであり、基本価格です。
『小さめ文庫サイズ』は特注扱いとなりますので、ご購入の際には、その旨、ご理解下さいますようお願い申し上げます。

今後とも、本の装ひ堂をよろしくお願いいたします。

本の装ひ堂店主 拝

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