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黒髪の神風連資料館、31日に閉館 たち上がった思想伝え半世紀

 1876年に発生した神風連の乱(敬神党の乱) の資料などを展示する神風連資料館(熊本市中央区黒髪5丁目)が8月末で閉館する。 
 資料館は思想家・小説家で雑誌『日本談義』発行人であった荒木精之が1978年に桜山神社境内に設立。決起士族の書状や刀甲冑、辞世の句などが展示されており、神風連に影響を受けた三島由紀夫の『行動』と記した扁額の展示なども特徴となっている。
 担当者によると、資料館は財団法人として神社とは独立しているため、氏子の減少が理由ではないが、来館者の減少や支え手の減少、高齢化などで赤字がかさみ運営が厳しくなったという。
 資料館の関係書籍の販売スペースでは、訪れた学生や市民が何冊も購入する姿も見られた。6月に資料館を訪れた熊大文学部の女子学生は「小規模私立博物館は展示に制約があるし運営は厳しいと思うが、公立ではない魅力もあったので残念だ」と語った。
 31日までは毎日開館しているという。入館料は大人(学生含む)300円。
(2024年6月8日)

桜山神社境内の神風連資料館=6月7日、記者撮影。写真は一部モザイク処理しています
展示の説明を聞く学生ら来館者=同
神風連の乱の解説を見る来館者=同
三島由紀夫の「行動」の扁額=同

・神風連の乱(敬神党の乱)
1876年10月24日、新政府の欧化政策などを不満として、敬神党に属する一部熊本県士族が蜂起した事件。当時の熊本鎮台司令官、熊本県令らが殺害された。
大正期に烈士顕彰のため桜山神社が建立され、のちに三島由紀夫が「神風連の遺風を慕っ」たと語るなど、後世への思想的影響力も少なくない。

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