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【詩】足取り

都会での仕事は
慌ただしい

いつもスタスタ歩く道に
何があるかなんて気にしない
ただ目的地に向かって一直線

ところが
同じ道をゆっくり歩いてみると

思いのほか
ゆっくりと歩いている人が多いことに
気がついた

華やかな香りが漂うパン屋さん
パンジーの寄せ植えに水やりをする御婦人
手入れの行き届いた古い祠
子どもの声が響く横道

ゆっくり歩くからこそ
見えるものがあることを
知った

どこに行くために
あれほど
急いでいたのか

ふらっと立ち寄った喫茶店
ブレンドコーヒーへ僕は問う

たましいの歩き方と
からだの歩き方を
合わせるために



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