サラリーマンの哀歌 同じ空でも
同じ空でも
雲一つない空を眺める先に、ポツンと悲しみが浮かぶ。
口は固く結ばれる。
会社の看板を背負った「申し訳ありません」
様々な言葉を浴びたその背中は、いつの間にか身を守るため固くなっていた。
風の強い雨雲が覆う空を眺める先に、自分の醜さが映る。
頬に流れるものは冷たい。
「これも人間関係の構築だよな」
そう言い聞かせ思ってもない世辞を言う。
いつの間にか空笑いの仮面を外すことができなくなっていた。
山々を暗く染める夕焼け空を眺めるその先に、臆病さが心に染み込む。
現実を知った足は、しなやかさと大胆さを失った。
「こんなはずじゃなかったのに…」と理想と現実の乖離。
臆病になり行動できなくなっていた。
薄雲かかる月が浮かぶ夜空を眺めるその先に、愛する人の温もりがある。
1日中気を抜くことができなかったこわばった手がゆるむ。
温かなご飯と楽しい会話。
明日への少しの憂鬱を握りしめ、僕は幸せを祈る。
日の出の白む空を1人静かに波音を聞きながら眺める…
太陽は、水平線を突き破るときにいびつな形になっていた。
でも何事も無かったかのように昼間の太陽は丸い。
もしかしてだけど、月と同じように太陽もまん丸以外の形になりたかったんじゃないか?
きみ、無理してやいないかい?
ホントはどうなりたいんだい?
どこまでもまっすぐで、それでいて少し不器用なんだね。
そう思うとクスッてなった。
さぁ、いつもと変わらない1日が始まる。
苦しみながらも働くもののために、太陽は今日もいびつな形をして水平線を突き破る。
そして、いつも通り君を明るく照らす青空を作る。
まとめ