密教を生きる
『密教を生きる』中村公隆 1997年11月刊 春秋社
昭和2年広島県に生まれ、真言宗獨鈷山鏑射寺の住職であった、中村公隆阿闍梨の著書。
精神科医の名越康文さんが絶賛しており、紹介されていた阿闍梨の法力のエピソードが凄まじかったので、手に取ってみた。
自伝的な要素の強い内容で、名越医師が語っていたようなサイキックなエピソードはそれ程、なかったのだが、空海が残した密教という体系の片鱗がリアルに伝わり、また、まるでリアリティのなかった空海という存在がどういう人物であったのか、想像するヒントをもらうことができた。
また、中村阿闍梨の超絶エピソードを聞き、空海はそれ以上だったのかと想像するだけで、人間の持つポテンシャルに震える。
なお、目次は以下の通り。
目次
第1章 密教を生きる(生い立ち;高野山大学へ;四度加行―修行のはじめ ほか)
第2章 密教の祈りと修行(弘法大師空海;悟りのこころ―菩提心と六大無碍;密教の仏―曼荼羅と大日如来 ほか)
第3章 密教のこころ(神戸の地震;一期一会;素晴らしいいのち ほか)
また、本書に挿入されていた阿闍梨の書画の数々が素晴らしかった!
「一切の存在するものはすべて心を持っており、それぞれの動物、植物、鉱物等々にもそれぞれの言葉があり、助け合っている」中村公隆
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