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アントニオ猪木とは何だったのか

『アントニオ猪木とは何だったのか』集英社新書 (2023/09)

今年、風邪をひき寝込んでいるとき、アマゾンプライムのリコメンドに現れ、見始めたのがアントニオ猪木の足跡を辿ったドキュメンタリー、映画『アントニオ猪木をさがして』だった。
半ば朦朧とした意識の中で見ていたのだが、エンドロールに「イノキボンバイエ」が流れ始めた瞬間、血液が沸騰するかのような感覚に襲われた。
映画が終わった後も、その翌日も、数日間「イノキボンバイエ」が耳の奥で突然、流れ始め、「イノキボンバイエ」「イノキボンバイエ」と呟く自分がいた。
自分にとってアントニオ猪木とは何だったのだろうか。
ちょうど、そんなことを考えているときに見つけたのが本書であった。

目次
壁抜けしつつ留まる猪木--入不二基義
馬場派からの猪木論--香山リカ
A LONG TIME AGO……--水道橋博士
存在無意識に生きたプロレスラー--ターザン山本
1000万人に届く言葉を求めた人--松原隆一郎
アントニオ猪木 あれやこれやの語--夢枕 獏
猪木について考えることは喜びである--吉田 豪

哲学者から精神科医、芸人、小説家、書評家、大学教授、そして、元週刊プロレス編集長がアントニオ猪木について語り、当然ながら、誰一人同じ猪木像を語っていなかった。

それにしても、猪木とはなんだったのか、アントニオ猪木を探してやまない人々が自分の他にもどれだけいるのかということを本書、映画を通じて、改めて知った。

「アントニオ猪木はなんであったのか」
その問いに対する自分の答えは今も出ないまま、今日も「イノキボンバイエ」を聞いている。
何度も聞いた曲である筈なのに、聞く度に血が湧き、心臓の鼓動が速くなる。



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ぴんぱ
人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光りあれ。

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