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古楽夜話
『古楽夜話 ~古楽を楽しむための60のエピソード』那須田務 音楽之友社(2023/10)
我々がクラシック音楽と呼んでいるのは主に18世紀から19世紀にかけての西洋音楽のことで、歴史的にみれば実は結構、新しい音楽の一分野に過ぎないことがわかる。
本書で紹介されている古楽は、18世紀以前のヨーロッパで演奏されていた中世音楽、ルネサンス音楽、バロック音楽の総称で、楽器も現代のオーケストラではみなれない、ヴィオラ・ダ・ガンバやリュート、クラブサン、カリヨンなどの名手たちが紹介されていた。
印象にのこったエピソードは「中世の幻視者ヒルデガルト・フォン・ビンゲン」「ヴィヴァルディ最後の夜」「テレマンとガリバー旅行記」といった所か。
特にヒルデガルト・フォン・ビンゲンの存在を本書にて、初めて知り、すぐに音源を入手し、聴いたのだが素晴らしかった。
修道女であり、神の声を聴き聖女とされた彼女の遺した単旋律の聖歌集は確かに聖霊の息吹を感じさせる。
「言葉は体を示し、合唱は霊を現す。天上的な合唱をもって神性を告げ知らせ、また、みことばは神の御子の人性を明らかにする」
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