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人生邂逅 ・まなび編 ◆仏教読書会から -34
正法眼蔵随聞記 の購読会から
先週の講読会で、あるメンバーのかたが話されたことにとても心を動かされました。
ヒトとの付き合い方について、です。
若かりし頃、マーケティング理論にかけては卓越した才能を持っている上司がいたそうです。
ただ、一方ではパワハラがひどく、ほとんどの部下がその方とは一線を画していたそうです。
世間でもあるあるのお話ですが、
このかたは、どうされたかというと。
ヒトには多面性があるのは当たり前。
どの面と付き合うか。が大事。と考え、その秀でた才能の面と付き合うことに徹し、ネガティブな部分には一切目をつぶった。そうです。
周りからは、よくあんな人について行けるな?! と怪訝がられたそうですが、自分は自分と割り切り、このかたから、大事なことを学んだそうです。
どんな嫌な面であろうと、塀の向こうに行くようなことさえなければ、よし
と考えたと言われていました。
が、この話をお聴きして、すぐに私の頭に浮かんだ方がいます。
現役営業時代の上司で、「お前は首だ!」を3回も言われたかたです。
このブログでもすでに登場いただいていますが、
その人脈と実現力は凄まじく、到底常人の及ぶところではありません。
そのひとの辞書に不可能はない!
前例がなければ、あらたに作れば良い。 何を怖がることがあろうか!
で、これまであえて足を踏み入れなかった領域にも果敢にアプローチしていきました。
時代の流れもあって、大規模な案件を次々に獲得していきました。
まさに快進撃でした。
それでも、いろいろあって会社を辞め転職され、その会社でもお家騒動に巻き込まれ二転三転。
結局そこも去ることになり、ご自身でベンチャー企業を立ち上げたのですが
うまくはいかず、ついには塀の向こうに行かれたとか。
それは別として、
このかたの秀でた面だけを見てお付き合いしていたら、
どうなっていたのかと? と考えた次第です。
このかたに限らず、素晴らしい能力を持っておられるが、どうも人間的には好きになれない。という方がそこそこおられたように思います。
自分の価値観から大きく外れた面を見てしまうと、どうしても腰が引けてしまい、素直な心で受け止められなくなってしまいます。
今から思うと、とてももったいないことをしてしまった。のではないか。
と、少し後悔した次第です。
という私自身も、パワハラ上司だったことがあるのですから、何を偉そうなことを言っているのか。 です。