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人生邂逅 ・まなび編 ◆仏教読書会から -51
宮坂宥洪著 真釈般若心経
第四章 不生不滅の諸法 より
般若心経に登場する釈尊の十大弟子の筆頭である舎利子(しゃりし)がどのようにして釈尊に弟子入りしたのかを説明した箇所があります。
元々は別の師匠について修行を積んでいたのですが、ある時出会った修行者の立ち居振る舞に胸打たれ、あなたの師匠はどなたですか? と尋ねると
次のような詩を披露したそうです。
諸法は因より生じる
それら諸法の因を如来は説いた
また、それら諸法の滅をも
大沙門(だいしゃもん)はこのように説きたもう
これを聞いた舎利子は深く感銘し、「ついに死を克服する道をみつけた」といい、
250人の弟子たちを引き連れて釈尊の元に入門したのでした。
と、
わずか4行の詩を聞いただけで、そこまでの決断ができる。
どう考えてもそこまでの奥深さを感じ取ることは、凡夫である私にはできないのですが
実際には、そうだったようです。
で、
この話を聴いて、大いなる飛躍が頭をよぎったのですが、
以前、一度ご紹介した 「達成感を味わおう!」 です。
たしか、1992年ころだったと思います。
ソニーの国内B2Bの営業本部で本部長が交代されたときに、その本部長が
社員向けのメッセージとして発信されたのが
「達成感を味わおう!」でした。
それまでの当営業本部は、とにかくストレッチな目標を一方的に上から押し付けられ、
現場不在で、戦略もなく(少し言い過ぎかも)精神論で戦うことを余儀なくされていて
みな、疲弊しきっていたように思います。
目標数字を見ただけで、戦意喪失!
そこに、このキャッチでした。
さらに、このかたの凄いのは、
すでに、本社から提示されていたその年度の売り上げ目標を本社筋と交渉して、下げさせたことです。(だったそうです)
これなら何とか頑張れば達成できそう。
だれもが、そう思える目標数字でした。
その裏付けがあってこその「達成感を味わおう!」で、
この本部長がよく言われたのが、
「営業は数字こそ最良の薬」
国内営業で伝説となった、行く先々で必ず目標達成を遂げて来られたかた
こその重みのあるお言葉でした。
ということで、
当時の数百人の営業本部社員全員が、営業の神髄を知り尽くしたレジェンド
のもとで、一丸となったのです。
ここから、営業本部の快進撃は始まったのです。
「今は昔」 のお話ですが、あの時の熱気は今でもはっきりと覚えています
釈尊のもとに駆け付けた舎利子たちのように。
というのはあまりにもこじつけでしょうか。