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MBOの運用

人事コンサルティング会社フォー・ノーツ社が実施した「人事制度・人事施策に関する実態調査2023」の「うまくいかなかった・失敗した人事制度」によると、
第一位:MBO(目標管理)
第二位:在宅
第三位:フレックス
(以下、省略)
とのこと。

”MBO”がうまくいかない理由は、
①目標がトップダウンで降りてくるため、自主性が生まれなかった
②どうなったら達成としての評価になるのかが明確でない
ということのようです。

当社でもMBOを導入しており、私自身も人事役員として被評価対象になっていて、先日初めてのフィードバックを受けました。

一連のプロセスと結果を踏まえて、”MBO”自体は個人の成長と組織の成長をリンクさせる良いツールだと思います。

実務上でのポイントを言うと、

1.目標はトップダウンではないけれども、あくまで組織の重点目標に沿ったものであること
⇒目標設定のときは、評価者と被評価者が組織目標を共有して、しっかりと話し合う。
さらに大事なことは「評価のための目標」にならないよう、期中何度もシートを見返すことが重要。目標(と行動計画)の確認及び気付きの書き込みというようにしっかり活用するものにする。

2.期待成果を期初に共有しあう(内容も現実的かつ具体的にする)
⇒定量目標は、自分の努力でコントロールできるものにする。売上や利益、離職率など、自分以外の要因があるものを目標にはしない(そのなかで自分のミッションにかかわるものを定量目標にする)
⇒定性目標は、「〇〇が~という状態になっていること」というイメージを共有するとわかりやすい。
たとえば、大雑把に「人財育成」ではなく、「〇〇という業務を自分が細かく指導しなくても、チームメンバーが自律的に処理ができるようにする」としておけば、評価の際に「たしかにそうなっているよね」「いや、全然できていないよね」というような話し合いができる。

3.評価者は被評価者をしっかり一年観察する(ノートに記録する)
⇒MBOは何のためにやるかに立ち返ると、被評価者を痛めつけたり、がっかりさせたりではないので、基本的にはモチベーションが上がるような処理で終わることが望ましい。
私の場合でいえば、定量評価は環境与件などあり大きく未達であった(それはそれでペケを覚悟していたが・・・)。しかし、一年を通じての仕組みづくりをよく観てくれていて、最終評価をかなり高くしてくれた。これは文句なくうれしいものである。おそらくノートに記録してくれていたのだと思う。
ダメな評価というのはこの逆で、数字は数字だからと冷徹になりすぎたり、根拠なく印象で悪く評価したり、一回のミスを大きく取り上げたり、というものだが、これでは個人の成長どころかモチベーションもエンゲージメントも下げてしまい、何のメリットもなくなってしまう。

MBOに限らず絶対に成果があがる施策などないと思います。目的に照らして正しく運用するかしないかだと思うので、他の施策もいま一度点検していきたい。