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人事としての三要件
これからは「人事の時代」であり、成果を出し続けるには自分自身の学びやキャリアに向き合わないといけません。
(「シン・人事の大研究」中原淳・田中聡)
実際、人事の仕事内容は近年ますます高度化しており、必要とされるスキルも複雑化・多様化しています。
一方、人事として絶対に必要なマインドセットはいつの時代でも変わらないと思います。次の3つです。
1.強烈な職業的倫理観
社員の個人情報(評価や給与、健康状態、家庭事情など)を把握する立場にあるので、情報管理を徹底し、関係者以外には絶対に開示しないというのが大前提にあります。また人事マンや人事部門のレベルが、社員の幸せと直結し、さらには経営にも影響するために、スキルアップは自分たちのためというよりも責務を果たすために必須なものだと考えることが求められます。医師が患者を救うために日々研鑽を続けることに似ています。
2.社内のすべての人との距離感を保つ
社内の信頼感をつくるために大事な要件です。
端的に言うと、
「社員を不安にさせる動きをしたり、特定の人と懇意(例えば頻繁に食事に行く)にはしない」
社内の人は人事担当の動きをよく見ています。アフター5どころか、業務スケジュールもチェックされています。スケジュールは「非公開」が原則です。
また余程意思が固くない限り、飲んだ席で人事情報をうっかり漏らしてしまうこともありえなくはない。人事マンは社内の人とのアフター5はすべて控えたほうがよいと考えます。
3.特定の思想や信念を持たないこと
人事は先入観や自分の価値観で物事を決めつけたり、誰かの価値観を押し付けたりすることは他の職種以上にご法度です。あくまで書いてあるものが基準(理念、行動指針、規定など)。
それ一辺倒だと「自分の考えはなくてよいのか」という声もあるかもしれませんが、いまの人事に求められるのはデータと理論に基づいた根拠ある問題解決です。イメージ的にはサイエンティストに近くなっています。
”無機質”さが強調されてしまいましたが、これだけだと生成AIにとって代わられてしまいます。人間が人事をやっていく以上、これだけではない要素があります。
それは文字どおり「人事マンの人間性」であるわけですが、その内容を具体的に定義するのは非常に難しい。
その大きな部分は「生き様」にあるのではないかと思うのですが、それについては次回にしたいと思います。