元優等生現問題児〜私が転機としたかったもの(9)〜
憂鬱な気持ちのまま、今日も何とか学校に着いた。
白いはずの校舎の壁が私にはグレーに見える。
そんなに社交的でもないくせに、今日も作り笑いをして孤独を誤魔化している。本当は強烈に孤独を感じていても、周りから一人ぼっちに見られるよりかはマシだから。
今日はホームルーム前にペナルティで職員室を掃除しなければならない日だ。クラスメイトとの会話もそこそこに、急いで職員室に向かった。
担任教師から、久しぶりにまともに掃除に来たなとチクリと嫌味を言われながらも、何とかペナルティを終えた。
すると、担任は話があると私を個室に呼び出した。
「どうやったら勉強頑張れる?」
「家庭の問題があると言うのなら、別の場所なら頑張れそう?」
「仲良くしているおばさんの家はどう?」
結果、私は親戚のおばさんの家に平日は滞在させてもらうことで、勉強を頑張ることとなった。
別の場所に移ったらこんな私でもまた幼稚園や小学校の頃の様に勉強頑張れるのかな…なにか他人事のような気持ちで話を聞いていた。
そして、おばさんにも話が行き、1ヶ月後には引っ越しを済ませ、彼女の家から登校することがトントン拍子で決まった。
このことを転機にしたい、自分もそう思った。これ以上自分を嫌いになりたくなかった。