【ワークショップレポート2023】エンジニアに必要不可欠な「傾聴力」を身につけるには?
ITコンサルティングやSEサービス事業を手がけている私たち株式会社TryAngle(トライアングル、以下TryAngle)。当社では、取引先に付加価値を提供できるようなエンジニアの育成に力を注いでいます。その一環として年に1回の頻度で実施しているのが、Insights®Discoveryプログラムを用いたワークショップ。30年以上に亘って企業研修に携わるインパクトジャパン株式会社の監修のもと、社員の成長をサポートするためのテーマを掲げてプログラムに取り組んできました。この記事では、2023年3月に実施した2022年度ワークショップの様子をレポートします。
▼目次
[1]本年度のテーマ:『更なる質の高いコミュニケーションの促進』
[2]当日のプログラム紹介
[3]ワークショップに参加して:エンジニアの声
[4]ワークショップを現場に活かす
[1]本年度のテーマ:『更なる質の高いコミュニケーションの促進』
2019年には「物事の見方の多様性を理解する」、2020年には「自身の価値向上について考察する」、2021年には「お互いの現状をアップデートし、現状の課題について考察する」と、エンジニアとしてのスキルを向上させるべく年度ごとにワークショップのテーマを掲げてきました。
業務上のコミュニケーションを図る際に「発信」は得意であるのに対して「受信」への配慮が不足していることから、本年度のテーマは『更なる質の高いコミュニケーションを促進する』へと決定しました。自分のコミュニケーションの傾向を把握すること、自己理解・他者理解を深めること、そして効果的なコミュニケーション・関わり方を理解することで、ワンランク上の情報伝達力を身につけることをゴールとしています。
[2]当日のプログラム
2019年には「物事の見方の多様性を理解する」、2020年には「自身の価値向上について考察する」、2021年には「お互いの現状をアップデートし、現状の課題について考察する」と、エンジニアとしてのスキルを向上させるべく年度ごとにワークショップのテーマを掲げてきました。
業務上のコミュニケーションを図る際に「発信」は得意であるのに対して「受信」への配慮が不足していることから、本年度のテーマは『更なる質の高いコミュニケーションを促進する』へと決定しました。自分のコミュニケーションの傾向を把握すること、自己理解・他者理解を深めること、そして効果的なコミュニケーション・関わり方を理解することで、ワンランク上の情報伝達力を身につけることをゴールとしています。
当日は都内の貸会議室に約20名の社員が集まり、アイスブレイクを含む計4つのアクティビティを体験しました。
■オリエンテーション(開催目的の共有)
■アイスブレイク「SEVEN REVERSE」(準備状態の醸成)
■プロジェクト&レビュー「Mt.FUJI」(複雑な状況下での意思決定)
■セッション①「Interaction Assessment」(自分自身の特性を客観的に捉える)
■セッション②「Discovery」(自己認知/他者認知)
■ディスカッション(今後のアクションプランについて議論を行う)
「まず最初にアイスブレイクとして行ったのが「SEVEN REVERSE」というゲームです。
制限時間内にチームが決められたルールに従って70までの数を順番に数えていきます。
制約の中でチームのメンバーと協働することの難しさや面白さをゲーム感覚で味わいました。」
次に取り組んだのは「Mt.FUJI」というプロジェクト。曖昧性の高い状況からスタートし、情報を収集しながら仮説を立て、意思決定を行うというマルチエンディング形式のアクティビティです。合理的な選択を行う難しさを実感しました。
3つ目に挑戦した「INTERACTION ASSESMENT」は、チームとしてのコミュニケーションの質を高めていくために、その種類と量を測定するというもの。自らのコミュニケーションの傾向を4カテゴリー(OUTLINE, QUESTION, MENTION, REACTION)の12種類に分けて測定します。一人ひとりの発言の傾向と量を種類別に測定できるため、自分がチームに対して与えている影響が可視化されました。
[3]ワークショップに参加したエンジニアの声
【インタビュー】
・入社6年目 サクラバ フミキ
・入社4年目 タネイエ タカネ
──まずは簡単に自己紹介をお願いします。
サクラバ:システムエンジニアとして取引先の企業に常駐しています。企業側から“こんなシステムが欲しい”という要望を聞いて、業務効率化に貢献できるようなシステムを開発しています。
タネイエ :サクラバさんとは異なる現場なのですが、私も役割としては同様です。客先でシステム開発を手がけています。
──今回のワークショップですが、目的は「コミュニケーション力の向上」だと伺いました。
タネイエ :TryAngleって発信する力は強いんだけれど、その発信されたものを聞く力が足りていないかもしれないよね、という話がありまして。今日のワークショップでは、そうした傾聴力の部分を向上させようということになりました。
サクラバ:月1回の帰社日や社員旅行なんかの際にも、ラフなコミュニケーションであるせいか自分の言いたいことだけを好きに話しているような感じが確かにあったんですよね。
──実際の業務においても問題があったのでしょうか?
サクラバ:幸いこれまでに重大な問題が発生したという事例はありませんが、小さなミスコミュニケーションはあったかもしれません。例えば、リーダーが業務についての情報を丁寧に共有したとしてもメンバーが聞き漏らしてしまっているとか、本来の意図とは異なる受け取り方をしてしまったせいで心理的な齟齬が生まれてしまうとか……。
──そこで今日のワークショップが実施されたんですね。内容はいかがでしたか?
サクラバ:最初の柱として行ったのは『Mt.FUJI』。50人の仲間を率いて富士山登頂を成功させるための手立てを考えるというものです。事前に4種の登頂ルートを資料として受け取っていて、それぞれに特徴があります。どのルートを選定しても構わないのですが、45分間でチームとして最善の答えを導き出す必要があります。
──実際に参加してみて、学びや発見はありましたか?
タネイエ :こうした話し合いを行うと、当社の場合、やはり相当な数の意見が出て議論は白熱します。一方で、出た意見に追いついていないメンバーもいたようです。発言の傾向を数値的なデータとして出してしらったのですが、発信の数が多い割に誰もそれをまとめようとしていないという結果でした。
サクラバ:実は私自身、傾聴力というものがそれほど業務に影響しているとは思っていなかったんですが、出てきた数字を見て、これは駄目だなと改めて痛感しました(笑)。
タネイエ :聞く力が不足していることで、これまでにもとり逃してしまった大事な情報があるんだろうなと思いましたよ。熱量が高いメンバーが多いからこそ発言量が多いわけですが、自分の意見や要望を熱く語るばかりではいけませんよね。想いが強いというのは決して悪いことではありませんから、プラスアルファで傾聴力を身につけさえすればコミュニケーションの質は格段に上がっていくはずです。
──もう一つの柱である「Discovery」も盛り上がっていましたね。
サクラバ:まずはパーソナリティを4種のカラーに分けて、自分がどこに当てはまっているか診断を受けました。リーダーシップが強いから赤色、自分の中で深く考えるのが得意だから青色、というような感じです。私たち2人は対局のカラーだったんですよね。私のカラーはアースグリーンで、チーム内で折衝するのが得意で協調を重んじるタイプ。
タネイエ :そうそう、私は黄色寄りの赤でリーダーシップが強いタイプ。この結果を受けて、対話する相手のカラーを仮定して与えられたテーマについて相手を説得するというアクティビティに移りました。
サクラバ:実のところ、私はめちゃくちゃ苦戦したんです。このカラーの人にはこういう風にアピールしたりアプローチしたりしていけば効果的だろうと仮説を立ててはみるのですが、それをテーマに沿った会話に落とし込むというのは至難の業でした。
タネイエ :ある意味では相手の喜ぶツボを抑えるということですよね。その人の好みそうなデータを提示してやるとか、楽しさやメリットを全面に押し出してやるとか、戦略的に話していく必要があるんだなと思いました」
──これは実際の業務にも活用できそうですね。
サクラバ:例え自分と対局のカラーをもつ人が上に立っているような現場に配属されても、パーソナリティが自分とは異なるというだけであって過度に不安を覚える必要はありません。客先で社外のエンジニアや関係者とうまく付き合っていく必要がある私たちの仕事ですが、他者との接し方には必ずコツがあるということがわかったので心理的な安全も保ちやすくなったような気がします。
タネイエ :今日のテーマである傾聴力の向上という面においても、相手の言い方が怒ったように聞こえたとしても、その人が本当に意図したいことは別にあるかもしれない。冷静に判断できれば仕事の効率も格段に上がりそうです。
サクラバ:「業務では、個人に対する信用や評価が次なる取引に繋がることも少なくありません。今回のプロジェクトがうまくいったから次回はTryAngleからチームに1人増員しよう!という話になることも多々ありますから。今日学んだことは確実に私たちの糧になると思います。
──最後に、お二人の今後について目標や展望を教えてください。
サクラバ:私は来年度から客先常駐でなく、自社で製品開発に取り組むことになります。こんなものを作ろうかという大まかな計画はありますが、詳細はこのあと一から詰めていくところ。要件定義からリリース、運用、そして継続的なアップデートまでをトータルに担います。今後は中途入社した新たなメンバーを現場に出すまでの間の研修として、この新しいチームを活用することもできるはず。頻繁にメンバーが入れ替わる可能性がありますので、今日得た知識を使う場面も多そうです。
タネイエ :私の課題は、開発スキルのみならずマネジメントやコミュニケーションのスキルを伸ばしていくこと。入社してからこれまでの数年間は目の前の業務に手一杯だった時間も多いのですが、自ら手を動かして頑張るのに加えて周囲を巻き込むことも覚えていきたいですね。目標に後ろ向きな人を動かしたり反対意見をもつ人と志を同じくしたりと、今日のワークショップで学んだスキルを発揮していかなければならないなと思っています。
[5]ワークショップを終えて
今回のワークショップのテーマである「聞く力」を身につけるには、自分のコミュニケーションの傾向を正しく知ること、そして相手のパーソナリティに気を配ることが重要だということがわかりました。日々の業務に追われる中で、ついつい他人への配慮に欠けてしまっていたことにハッとさせられた社員も多かったようです。今回得た学びは、当社の事業に一層の深みをもたらしたことでしょう。当社では、今後も社員一人ひとりが市場価値の高いエンジニアとして現場で活躍できるような研修を随時企画・実施していきます。
失敗を糧に成長していく株式会社TRYANGLEでは、
「絶対に失敗しないことをしない」を行動訓として活動し、
エンジニアが失敗を通して成長してく情報を公開しています。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?