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男性育休が短いのはなぜ?『性別役割分業』の真偽について考える

A氏「年明けに育休取ろうと思ってて」
B氏「いいね~どれくらい?」
A氏「2か月くらい取ろうかと」
C氏「結構取るね!」
A氏「2か月、やっぱヤバいですかね?」
B氏「俺も2か月取ったけど、復帰したときまじで話ついていけなくて焦ったわ~浦島太郎すぎてヤバかった」
A氏「まじっすかー」

……1年間の育休を取った私の前で言わないで〜😇


「2か月休むと浦島太郎」なんて言わないで

いま私が所属しているプロジェクトでの雑談の様子をお届けしました。

私以外のメンバーは全員男性で、同世代~後輩が4名というチームです。
先日、あるメンバーの奥様のご懐妊報告があり、年明けに育休を取るという話題になりました。
(ちなみに私を含め他のメンバーは、皆子持ち)

Web会議でしたが、いやーもうずっとこんな顔(😇)で聞いてましたよ。
2か月で浦島太郎になるなら、1年間も休んだ私はもはや化石ですやん。

K子「どうも〜!1年間育休をいただきました!!!」

日本では男性育休の取得率は30%にまで上昇したものの、その取得期間はおよそ4割が2週間未満だそうです。

私の職場では男性の育休取得はかなり進んでいて、取得率はほぼ100%です。
日本の平均値に比べたらかなり先進的な職場と言えるかもしれませんが、やはりその取得期間は2週間から長くて2か月といったところ。
半年以上取得した人は聞いたことがありません。

「仕事を休むのが怖い」感覚はどこからくるのだろう

育休を取得した職場の男性から聞くところ、みんな口をそろえて「めっちゃ楽しかった!わが子かわいい!育休最高!」って言うんですよね。
そうであるなら、もっと長く育休取ればいいやん!と思うのですが、そうしない理由は「仕事を休むのが怖いから」だそうです。

確かに、コンサルタントという職種は、最新の業界事情やトレンドに精通していることが求められます。
それゆえに、数か月も仕事を休んで前線から離れることは結構な勇気が必要です。

その怖さは、もちろん女性だって同じ。
私だって感じていました。
それでも自分が1年間(×2回)育休を取った理由は、仕事で地位を保つこと(昇進のチャンス等がつかむこと)<赤ちゃん時代の娘達との貴重な時間を満喫すること、という天秤の動きになったから。

しかし、当社の男性社員は天秤の動きが逆になる人が多いように感じます。
なぜなんだろう?
やっぱり男性は「狩猟民族」で、家の外で獲物(お給料)を勝ち取ってくるべしという本能が備わっているからなのでしょうか?

休むと狩りの勘が鈍りそうで怖いんか?


「男は狩猟、女は採集」という性別分業は思い込みかもしれない

おもしろい記事をみつけました。

「男性はかつてから狩猟を担当していたから外で働き、女性は採集を担当していたから家の近くで子供を産み育てる」という話はよく聞きます。
だから女性が育児(育休取得者)の中心になるのは、生物的に自然な動きのだという理屈。
『性別役割分業』というやつです。

でも、この記事によると、実は約8割の狩猟採集社会では女性は狩りもするし、男性は育児もする
狩猟採集民は男女ともに一人ですべてをこなすことができる「オールラウンド・プレーヤー」であるそうです。

「男は仕事、女は家庭」という固定観念は、戦後、日本経済の高度成長(男性のサラリーマン化)とともに形成されたもので、歴史的に日の浅いものであるといわれる。しかし、この近現代の産業社会における女性の位置づけを相対化することなく、時空間をこえた唯一の真実であるかのように考えたことが、「男は狩猟、女は採集」という定説に縛られてきた原因なのである。

President WOMAN「なぜ人は「男性は狩猟、女性は採集」を信じてしまうのか…約8割の狩猟採集社会で女性は狩りをしているのに」(2023.7.31)より引用

男性の皆様。
「男だから、働かなきゃ。常に外の世界で最前線で戦わなきゃ。」
その焦りは決してあなた方の動物的な本能のせいではなく、かつての日本社会が作ったただの鎧かもしれません。

鎧を取って、本能に従って、長期間育休取ったっていいんやぞ~!


後輩へ伝えたアドバイス。育児も戦いやで

さりとて、家庭の事情は様々。
本能ではどう思っていようと、家計の事情等々で育休の主体は片方(妻)とせざるをえない場合もあると思います。

A氏「育休を長くとる妻に対して、何か僕がやるべきことってありますか?」

メンバーからアドバイスを請われたので、こんな顔(😇)で固まっていたところから慌ててひとつだけお伝えしたことがあります。

それは、奥様の耳にピアスホールがあるのなら、それを決して塞いではいけないということ。

実は私、若いころに両耳にピアスホールをあけてずっと愛用していたのですが、長女の育休が終了したときにその穴が塞がってしまっていることに気づいたのです。
0歳代の赤ちゃんと24時間一緒にいると、誤飲や顔に傷をつけることが怖くてピアスなんてつけられません。
約1年の育休中、赤ちゃんと離れてピアスをつけて出かけることなんて一度もなく、気づけば穴が塞がっていたのでした。

育休は「休暇」と名前がつきますが、それは名ばかりで、実態はどちらかというと「戦い」とか「狩り」に近いもの。
外で仕事で戦っているパパと同じく、お家で育児をしているママも戦っているのです。

育児。それは終わりなきもうひとつの戦い

目安としてピアスホールが塞がらない程度の頻度で、ママがピアスをつけて(おしゃれして)一人時間を楽しんだり友達と食事に行く時間は確保させてあげなね~と後輩にはお伝えしました。

まとめ

男女はどちらも、戦えるし育児もできる本能がある。
だから男性が育休を長くとっても、逆に女性が早めに職場復帰したっていい。
そして何より、家の外で戦ってる(働いている)パパも、家の中で戦ってる(育児している)ママもどちらも大変でどちらも偉い。

『性別役割分業』だなんて言葉に騙されず、お互いの戦いをリスペクトして、「よくやった!」って毎晩祝杯をあげたいものですね。

仕事も育児も死ぬほど大変だ!うちらほんとに頑張ってるよ!!!




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