夫の使用後にキッチンが水浸しになる現象は、「ノーベル賞理論」で解決できた
「夫婦は所詮、赤の他人」です。
元々違う親の元で育った人間同士が同じ家で暮らしていくので、違う価値観がぶつかるは当然です。
分かってはいるのですが、それでも私にはどうしても許せないことがひとつあるのです。
それは、夫の使用後は必ずキッチンが水滴でびしょびしょになる現象です。
本日はこの問題を解決すべく、私がとあるノーベル賞理論を用いて試してみたことについて書きます。
我が家のキッチン(夫の使用後)の様子
まずは、我が家の夫が使用した後のキッチンの様子をご覧ください。
キッチン回りの掃除担当側の皆さんはお分かりのとおり、これらの水滴は時間が立つと水垢となります。
また、長袖のこの季節には次に使用する人の袖を容赦なく濡らしてきます。
更に、我が家は床のフローリングがワックスがけされているため、水滴を放置するとワックスが剥離し白いシミになります。
ちなみに我が家ではキッチンマットは使用していません。
その長さ故に滅多に洗濯されない(する気が起きない)マットの不潔さを私が受け入れられないためです。
ノーベル賞受賞の理論:ナッジ理論
何度注意しようとも直らないこの「夫によるキッチンびしょびしょ現象」に悩んでいたとき、とある子育て関連の記事で「ナッジ理論」に出会いました。
2017年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学の理論で、ナッジ(Nudge)は「ひじで小突く」という意味です。
この理論では、人に強要することなく、ひじで小突く程度に自然な形で良い行いに誘導させるために必要な要素を示しています。
その4つの要素がこちらです。
子育てにも応用できる有名なナッジの例だと、以下のようなものがあります。
道路に設置された、ゴミを捨てると音が鳴るゴミ箱(楽しいのでポイ捨てせずにゴミ箱へ捨てたくなる)
男子便器に貼られた、ハエのシール(ハエを狙っておしっこするので便器外へ飛び散らない)
この理論を参考に、私がキッチンに施してみた仕掛けをご紹介します。
キッチンに施した仕掛け①
Social(当たり前に拭き掃除を「やっている」前提で感謝する)&Attractive(拭き掃除することのメリットを知らせる)メッセージをキッチンの作業スペースに貼りました。
なお、メッセージはCanvaで適当なテンプレートを拝借して作成しました。
印刷してキッチンに貼る際には、100均のラミネートフィルムを使いました。
キッチンに施した仕掛け②
Easy(手軽)&Timely(思い立ったらすぐ)に拭き掃除ができるように、布巾と雑巾を設置しました。
これまで、キッチン回りの水滴はキッチンペーパーで拭き取っていました。
しかしこのキッチンペーパー、キッチンの後ろ側の冷蔵庫に固定しているので取るためには少し(ほんのわずかですが)手間がかかっていたのです。
ですので、メッセージを見た瞬間すぐに手と足が届く位置に布巾と雑巾を設置して、より簡単&すぐに拭き掃除ができるようにしました。
少し行儀は悪いですが、雑巾は足で踏んで腰をかがめず床を拭くのが楽です。
結果
設置後一週間ほど経ちますが、以前よりかなりキッチンびしょびしょ現象は改善されました。
床については拭き残しがまだ散見されますが、キッチン台やシンク周りについては、メッセージを見た瞬間とりあえず布巾で拭くということが習慣化してきたようです。
夫いわく、「このメッセージを見ると褒めて育てられてる感があって悪い気はしない」そうなので、ナッジ理論は子育てだけでなく夫育てにも一定の効果が見込めそうです。
まとめ
こちらの記事に書いた通り、我々夫婦は授かり婚で、恋人からいきなり「親」になりました。
そのため、夫婦として互いの価値観の違いをゆっくりと擦り合わせる時間がありませんでした。
価値観の違いによるいさかいを、ひとつひとつ話し合って解決できるのが1番の理想です。
しかし、日中は言葉の通じない赤ちゃんのお世話に奔走し、夕方以降はとにかく「ママ見て!!」ばかりの幼児に向き合っていると、本当に疲れるのです。
やっと手の空く夜には、もうYouTubeを流すスマホを握る程度の体力と精神力しか残っていないのです。
夫と喧々諤々議論する元気はどこにもありません。
ですので私は、「仕組み」の力に頼ります。
この記事が、同じように多忙なご夫婦の仲を保つことに少しでもお役立ちできれば幸いです。