写真を撮ること、何かを伝えること
GR SPACE TOKYOが8月にオープンしたと聞いた。GRを普段使っていることもあり、一度足を運んでみたいと思っていたところ、偶然タイミングが合っていくことができた。
当日は原宿駅を降りて、ゆっくりと歩いて目的地へと向かった。足早に歩く人たちを見ながら、GRを持ってパシャパシャと写真を撮りながら、歩いていた。
普段原宿や表参道などのエリアは殆ど来ないけど、カメラを持って眺めていると、他の街と違った賑わいがあることに気が付く。街にある広告やゴミ箱でさえちょっと洒落て見えたりするから面白い。
15分ほど歩いていると、GRストアに到着。平日ということもあり、店内には数人程度でゆっくりと過ごすことができた。
ちょうど自分が訪れた時には、森山大道さんの写真展が開催されていたので、その写真展目当てで訪れている人も多かったよう。
店内には、観たことのない数のモノクロ写真たちが飾られていた。振り返ってみると、きちんと印刷されたモノクロ写真自体をきちんとみるのは初めてかもしれない。カメラもモノクロモードはあるけど、ほとんどの人はカラーで撮影するじゃないですか。自分もまさにそうで、モノクロはどこかハードルが高くて、寂しいような印象を受けて一度もきちんと撮影したことはなかった。
壁に飾られている写真に圧倒されながら、ゆっくりと眺めていった。よく見ると展示されている写真は端が綺麗に丸まっている。
店員さんに尋ねると、「森山さんは街で撮影した写真をストリートに還したいと考えている。そのため、あえて街で見る広告のような簡易的な展示にしたら湿気もあり、こういう風になっていったんです」と話していた。
日常で触れることがなかったモノクロの世界に浸りながら、店内に展示されているカメラや写真集も見てまわった。
ここGRストアは写真展のほか、歴代のGR機の展示やカフェスペースなどもあったりする。そのため、ありがたいことにお店でセレクトした写真集を見ながら、ゆっくりと寛ぐことができる。
いくつもある写真集の中から野口里香さんの写真集を見つけ、手に取ってみることにした。
「この星」というタイトルのこの本は、本人によるエッセイとともに真冬の北京で撮影された写真を掲載している。極寒の北京の湖で寒中水泳する人たちを撮影し、次第に絆を深めていく過程が描かれていた。
写真ももちろんとても素敵だったけど、写真とともにそこに残されている言葉も印象に残った。
もちろん野口さんのようなプロと自分は全く違う。けれど、写真を通して、普段の日常でちょっとした話題ができたり、新しいことを始めるきっかけになったりすることも多くあった。写真をただ記録で残すこと以上に、体験や出会いを運んでくれている。
そして写真を通して、誰かに何かを伝えることができたり、撮らせてもらった人たちに少しでも還元できれば、それ以上のことはない。
これからも日常にカメラがあり、ちょっとした思い出を残せていけたらいいな。GRスペース、いいですよ。機会があれば、ぜひ行ってみてください。
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