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電子辞書をキーボードで操作できる便利さよ

2015年頃まで、実務翻訳者が愛用していた辞書にセイコーの電子辞書があります。


PCとUSB接続することで、電子辞書に入った豊富なコンテンツをキーボードで操作できるという優れものでした(PASORAMAという機能)。


翻訳者は紙と鉛筆で作業しているイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、現代の翻訳者はPCでほとんどの作業をしています。


タッチタイピングとショートカットキーを使って、効率的に訳文を入力しています。


辞書なんて翻訳者は引かないでしょ、とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、ひきます。

ちゃんと裏取りするため、普通の人以上に引きます(普通って何だって感じですが、翻訳を仕事としていない方々です)。



電子辞書は、携帯するには便利ですが、文字を入力する作業には時間がかかります。タイピングに慣れた翻訳者だと、PCにつなげたキーボードに入力する時間の何倍にもなると思います。



そのため、キーボードで操作でき、PCのディスプレイで閲覧できるセイコーの電子辞書は翻訳者からとても愛されていました。しかし、残念ながら今は製造中止となっています。


もう新品を購入できない便利なこのデバイスを壊さないよう、大切に使っている翻訳者はまだ多いと思います。

ただ、辞書本体が壊れなくても、PCはWindows 8、そして10と進化するにつれて、対応しなくなっていきます。


私は医学モデルと一般のモデルの2台を持っています。

そのうち一般のモデル(SR-G9003。英和や和英の大辞典などが入っています)は問題ないのですが、医学モデル(DF-X11001。医学辞書が複数収載されています)は、PCを買い換えて、今のWindows 10にしたときには反応しなくなっていました。


色々とウェブ検索して、対策を探したのですがどれも効果はなく、そもそもWindows 10には対応していない製品なのであきらめていました。


キーボードを使用できなくても、USBで電源は取れるので、取りあえずPCにつないだまま、電子辞書本来の機能で使用していました(不便なので使用頻度は減ってた)。


それがきのう、突然、PC上でも使えるようになったのです!感動!!!


今のパソコンを使い始めてもう10ヵ月ほどたつと思います。そんなにたってるのになんで……?


きっかけは、ルーターの再起動が必要になって、一旦、すべての電源を切り、コードを抜いたこと。


そして、再起動させるとき、一般モデルのコードを差し忘れて、医学モデルのコードだけをいれました。

すると、PCモニターにアイコンが表示され、インストールできる状態になったのです!びっくりしました!


というのも、以前使用していたPCでは、一般モデルの画面が開いてなければ、医学モデルの画面も開かなかったのです。

医学モデルだけの使用はできませんでした。


そのため、ずっと一般モデルをつなげた状態にしていたのですが、それがまずかったようです。


医学モデルだけでコードをつなげると、インストールができて、一般モデルとの併用もできるようになりました!わーい!


やっぱり一般モデルの画面を開かなければ、医学モデルの画面も開けられないのですが、最初のインストール時だけは、一般モデルのUSBケーブルをつけていてはダメだったようです。


もしかしたら他の要因が関係しているかもしれませんが、自分ではそれが原因かなと思ってます。

わかってみれば単純で、この思い込みに支配された自分の脳が情けない限りです。。。



そんなわけで、便利になった辞書の様子を少し紹介します。

キーボードで例えば「頭痛」と入力し、コピーしてみると、クリップボード検索で一気に複数の辞書が(それも2台の電子辞書のコンテンツが!)ディスプレイ上で表示されるようになりました。

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左DF-X11001(医学辞書)、右SR-G9003(一般辞書)の画面です。

左の医学モデルではステッドマン医学大辞典の検索結果を表示させています(日本語でも英語でも引ける)。


英語で "headache" を引いて、左の医学モデルは医学書院医学大辞典の検索結果を表示させてみました。

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ちなみに、他にもLogophileとLogoVistaというソフトも使っているので、クリップボード検索でさらに一括検索ができます。

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全体の写真はこんな感じです。

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すみません、この写真は以前撮ったもので、まだ医学モデル(Dayfiler)がPCディスプレイに表示されなかったときなので中央に小さくある電子辞書の蓋が開いています。今はPCで操作できるようになったので、閉じて使えるようになりました。

(左の大きいほうのディスプレイに映っているのは対訳君とデジタル類語辞典、ロゴヴィスタ、右のノートPCのディスプレイに映っているのはSR-G9003とLogophileです。ノートPCの下に一般モデルが、ノートPCの左に医学モデルがあります。)



そんなわけで辞書環境が改善してうれしいです。



お勧めはしませんが、参考までにリンクは貼っておきます。

一般モデルと上記で書いたのはこのSR-G9003エンジニアモデルです。


医学モデルと上記で書いたのはこのDayfiler(DF-X11001)です。


何度も書きますが、Windows 10には対応していない製品なので、今から購入するのはお勧めしません(中古は見つかると思うので、リスク承知でご購入するのは止めません。うまくPCにあえばかなーりお得で、かなり便利です)。

アプリ辞書(物書堂さんなど)やオンライン辞書(ジャパンナレッジやKODなど)などが無難だと思います。


さらに参考までに、以前書いた医学辞書選びについてのブログのリンクを貼っておきます。


ではまた(^^)/

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笠川梢
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