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生きがい~長く幸せな人生を送る秘訣について~
研修の人・見学の人を職場でよく見かけます。
ほとんどはナースさんの研修、見学。
そんな中、
私の職種である病棟保育士の研修・見学の人が
昨日からいらしています。
昨年も一昨年も
数人の人がいらっしゃいました。
見学で入社検討を辞退する人
研修を半日体験して「辞めます」と帰る人も。
辞退や研修で帰った人の理由は
春~秋の病棟は蒸し暑く汗だくの重労働、
センシティブな状況に出くわし
ショックを受ける、
入院患児を相手する精神的なプレッシャー、
多職種が大勢いる中での職場内環境への驚き
など多岐に亘ります。
そして、
それらの理由には全て頷ける私です。
私自身が理由の全てを感じ、
辛かった経験の上で、今に至っているのです。
研修の方と昨日1日業務をご一緒しました。
保育園に現職で務めていらっしゃる方。
職場の病棟に入り、
患児のあまりにもちぃさな身体を見て驚き、
更には
患児全員が何かしらの医療機器を装着しており
医療機器の音がずっと鳴り続けている病棟内を
″ 怖く感じた ″と、後にお話されました。
業務に入ると、
″清潔・不潔" の徹底から入ります。
患児の赤ちゃんは
産まれたばかりの新生児~産後数ヶ月の赤ちゃん
そして入院しているのは何らかの疾患がある為
その赤ちゃんの健康を脅かす事に直結するのが
不潔行為。
徹底した清潔が必須です。
手洗いは勿論、モノを落としたら
素手で触らないは当然、
Aちゃんに触ったら、Bちゃんに触るには
自分の手を消毒してから、
若しくは手袋を変える、など。
更にビニールガウン対応が必須な場合や
備品は医療用品であり取り扱いは厳しい。
様々な非常に細かいルールがあります。
その厳しいルールに則り、
業務を行い患児に寄り添う。
患児一人ひとりの疾患に応じた寄添い方を
求められます。
ドクター・ナースの指示に従いつつ、
保育士としての意見を求められると同時に、
保護者様も長時間近くにいらして、
保育士として行動・言動は常に見られています
研修では、
一通りの話をし業務をこなしていきつつ
一方で日常の業務は、こなさねばなりません。
研修中
「kururiさん、◯ちゃんの△△処置をするから
◯ちゃんの対応お願いします」
とお願いするナースさんが。
(頼まれるのは年に数回ある程です)
昨日そのケースがあり、
患児の対応が1番大切なので
急いで◯ちゃんのところへ研修の人と
向かうことに。
研修の人には
「ちょっとギョッとするかもしれないから
私の後ろからチラッとみるなり、
ダメだと思ったら、目を閉じていて」
と小声で伝える私。
対応をしていると、
研修の人はギョッとした様子が
何となく伺えたのです。
対応を終えて、その場を離れてから
研修の人に
「大丈夫でした?」
と私が聞くと
「私にはあんな事は出来ません」
と小声で答えて下を向いたのです。
私は
「私も年数が経った今だから言われるだけで
入社して1年以上、
頼まれることなんてなかったから
安心してください。
それに、
どうしても無理と思えば
お断りしても大丈夫」
と伝えると、
研修の人はホッとした表情を見せました。
長いようで短い研修の1日目が終了。
研修の人に本日の質問や感想を聞いてみると
「今は疲れすぎて、
今日1日の事は全て忘れました」
と、素直な感想を述べてくれました。
私は
「今日はずっと歩き続け足が疲れたと思います。
精神的にも疲れたでしょ。
今日は美味しい物を召し上がって
ゆっくりお風呂に入って
早めに寝てください」
とお伝えしました。
それからロッカールームに向かう途中、
研修の人から質問をされたのです。
「kururiさん、本音で聞いていいですか?
正直、
こんなに過酷な環境で責任が重い仕事、
それなのに給料が安いですよね。
どうして辞めずに働いているんですか」
と。
その質問に対して、
私は頭に浮かんだ言葉が口に出ていました。
「この仕事が私の生き甲斐だからかなぁ
新生児の赤ちゃんに寄り添える、
この仕事が大好きだから」
と。
スラスラと頭に浮かんだ言葉が
口から出てしまい、気恥ずかしい私がいました
私の返答に対し、研修の人は
「あー、やっぱりそうなんですね。
そういう思いじゃないと出来ないな、
と思いました」
と述べたのです。
その後、
暫く研修を頑張ってみるけど
自分の健康に自信が無い、と
本音を語ってくれました。
帰途につく私は、研修の人に語った
″生き甲斐″ について考えていたのです。
生き甲斐について考える際、
私の頭に直ぐ浮かぶのは
脳科学者/理学博士の茂木健一郎氏。
著書
「IKIGAI:
日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣」
世界31カ国で翻訳出版のベストセラーです
この本では
ハッキリとは言えない「生きがい」について
5つの柱として体型立てて簡潔に理解しやすく説明しています
生きがい5本柱
1 小さくはじめること
2 自分からの解放
3 調和と持続可能性
4 小さな喜び
5 今ここにいること
生きがいとは、
自分にとって意味ある人生の喜びを発見 定義し
楽しむことに尽きる。
どんなに小さなことでも、
誰にも理解されなくてもいい。
それを見つけることが実り多い人生に繋がる、
と茂木氏は述べています。
茂木氏がご自身のYouTubeチャンネルや
Voicyでも
この ″生きがい″ について以前語っていました。
大切なのは
目標をターゲットとして頑張っていくことは
悪くはないが
それは生きがいではない。
喜びを追求し、純粋な気持ちでただやり続け、
それが良い結果をもたらす、
それが生きがいの本質なのだ、
と。
私は、
目の前の入院している新生児の赤ちゃんが
心から愛おしく寄添いたい気持ちでいっぱいで
その赤ちゃんが穏やかに安心して、
更には笑顔になれるように愛情を注げることが
何よりも幸せな瞬間なのです。
それは私にとって、
まさに″生きがい″と言えるでしょう。
生きがいは仕事に限りません。
自分がやっていて純粋に楽しいことが基本。
そして、
その生きがいは長く続けられることとなります
他人は関係ありませんし、
他人から強要されることでもないのです。
2015年6月まで米国と日本で実施された
健康寿命と長生きに関する研究で
ニューヨーク州のマウントサイナイ医科大学の
心臓病専門医のランディ コーエン氏の発表では
人生でより高い目的意識をもっている人々は、
死亡リスクや心血管疾患の発症リスクが低く
健康寿命が長い、
つまり
大切なことは、
人生を生きる価値のあるものと感じている人ほど
寿命や健康寿命が長い傾向があることが
明らかになった、と伝えています。
年を重ね、今 ″生きがい″ を持って
毎日を過ごせている私は本当に幸せなのだと
改めて感じています。
辛いことも理不尽も
生きがいがあるから吹き飛んでしまうのです。
今日も1日が始まっています。
自分の機嫌を取り
気持ち良い1日を過ごします。
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