展覧会 #18 Nerhol 水平線を捲る@千葉市美術館
千葉市美術館は千葉市中央区役所との複合施設として開館したビル型の美術館。戦前の建物である旧川崎銀行千葉支店を新しい建物で包み込むように設計されています。
HPで建物を見て興味が湧き、一度訪れてみたいなと思っていた美術館です。
千葉市美術館
千葉県千葉市中央区中央3-10-8
交通アクセス:
JR千葉駅 東口から徒歩約15分
京成バス「大学病院行」または「南矢作行」にて「中央3丁目」または「大和橋」下車 徒歩約3分
千葉都市モノレール(県庁前方面行)葭川(よしかわ)公園駅 徒歩5分
京成千葉中央駅 東口から徒歩約10分
企画展は、田中義久(1980–)と飯田竜太(1981–)により2007年に結成されたアーティストデュオ Nerhol(ネルホル)の個展。
以前アートギャラリーの個展を観たことがあり、美術館という大きな場所でどのような作品が観られるのか気になって訪れてみました。
感想を一言でいうと、色々な意味で難しかった。
キャプションやナンバーがついていない展示はよくあるのでそれはいいとして、作品リストが非常に分かりにくい。
地図が読めないタイプの人間なので余計に苦労しました。
入念なリサーチとユニットメンバー間の対話を重ねて創り上げているという作品の特性上、コンセプトとか背景にあるものを踏まえて受け止めるタイプの作品かなと思うのですが、作品リストや展示室の解説が説明している展示の範囲が良く分からない。異なるコンセプトの作品が混在して展示されているようにも見えて構成がつかめない。
複雑な思考で練り上げた言葉で話している関係者の中に放り込まれて会話の内容も行き着く先も見えず途方に暮れている感じで、小さなフラストレーションが溜まった末に「まあ、いいか」みたいな気分になっていきました。
そんな風にちょっと卑屈になっている中でも面白いと思う作品に出会えたのが救いです。
結局、私にはシンプルなアプローチの作品が響きました。
展示の終盤、千葉市美術館の所蔵作品とのコラボ展示のなかで、こういうのが好きなんだよなーと思った作品。
同じ展示室で、こういう作品も。
人間関係と同じで自分と作品の間にも相性があると思っています。
「分からない」と言って拒否するのは簡単ですが、鑑賞の幅を狭めないためにもなるべく苦手意識を持たないように心がけています。
結果的に今回はそこをすごく意識した鑑賞となりました。
1Fの「さや堂ホール」はビルの中に包み込むように保存されている旧川崎銀行千葉支店の建物。市の有形文化財にも指定されている歴史的な建造物です。
企画展のインスタレーション展示室として使われていました。
8本の円柱が並ぶネオ・ルネサンス様式の重厚感のあるホールは天井が高く自然光が降り注ぎます。
蓮を素材とする和紙で覆い尽くされた床。室内だけれどイチョウの落葉で覆われた公園のような光景が広がっています。
企画展は難しかったけれど素敵な建築物を見て満足しました。また気になる展覧会があれば訪れたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
Nerhol 水平線を捲る
会期:2024年9月6日(金)~11月4日(月・祝)
観覧料:一般 1,200円 大学生 700円 小・中学生、高校生 無料