kichikichi|美術は楽しい

美術鑑賞が趣味。主に東京の美術館とアートギャラリーを巡っています。興味関心:美術、建築、演劇、スイーツ、カフェ noteは展覧会を観て感じたことや考えたことの記録。たまにそれ以外のことも書きます。

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  • コレクション展は楽しい

    美術館のコレクション展(所蔵品展・常設展示)の鑑賞記事をまとめました。

最近の記事

コレクション展は楽しい #07③ 東京国立近代美術館 2024年10月

今年4回目のMOMATコレクション鑑賞。長くなるので記事を3つに分けています。 ※前回までの記事はこちら 清野賀子「The Sign of Life」 毎回楽しみにしている第9室の写真・映像展示。 今回は取り上げられていたのは清野賀子(1962-2009年)。 本当に何もない風景の連続。 「何もない」というのは日常的で特別な感じがしないという意味。 でも何点か観ていくうちに、この景色の向こう側には何があるのだろうという興味が掻き立てられてきます。 学校なのか、病院

    • コレクション展は楽しい #07② 東京国立近代美術館 2024年10月

      今年4回目のMOMATコレクション鑑賞。長くなるので記事を3つに分けています。 ※前回の記事はこちら アール・デコの精華 第10室では、フランスの工芸家ルネ・ラリック(1860-1945年)と、同時代の日本人作家が紹介されていました。 ラリックの作品は、今年4月に訪れたポーラ美術館で香水瓶をたくさん観ました。こちらはそれよりも大型の作品が中心で、装飾に見ごたえがあります。 花瓶が多く出品されていました。 植物の装飾模様の中を自由に動き回るカワセミ。 こちらは仲睦ま

      • コレクション展は楽しい #07① 東京国立近代美術館 2024年10月

        1日かけて美術に浸りたいなぁと思ったときに行きたくなるのがMOMATコレクション。今年4回目の鑑賞になります。 ※長くなるので、記事を3つに分けています。 所蔵作品展 MOMATコレクション(2024.9.3–12.22) 会期:2024年9月3日(火)~12月22日(日) 会場:所蔵品ギャラリー(4F-2F) モデルたちの生誕・没後数十年 絵のなかの人物が生年もしくは没年から今年で数十年というキリのよい周年を迎えた作品の特集展示。 エピソードも含めて面白かったのは

        • 【スイーツ】帝国ホテルのブルーベリーパイ

          最近ある動画で知った帝国ホテルのブルーベリーパイを食べてみたくなり、アーティゾン美術館の帰りに帝国ホテルへ行きました。 電車を使えば東京→有楽町は一駅なのでそちらの方が早いかもしれませんが、google mapで徒歩ルートを検索すると26分と出たのでお散歩にちょうどよい距離感の徒歩を選択。 アーティゾン美術館から銀座方面へ向かい、途中右折して有楽町駅付近でJRの高架をくぐり日比谷方面へ向かうとすぐに帝国ホテルが見えました。 一歩足を踏み入れた途端、歴史を感じる重厚な雰囲

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        • コレクション展は楽しい
          9本

        記事

          展覧会 #27 project N 96 ナカバヤシアリサ@東京オペラシティアートギャラリー

          今回東京オペラシティアートギャラリーを訪れた目的は「project N」シリーズを観ること。 「project N」シリーズはなるべく毎回観ておきたいと思いつつ、企画展との兼ね合いでここしばらく足を運んでいませんでした。 この展覧会シリーズの一番の魅力は、個展形式で若手作家の作品が観られること。 主な個展・グループ展・受賞歴などは下記リンクからご覧ください。 コレクション展示室から続く回廊(コリドール)が展示スペースになっています。 明るい色使いで植物を中心とした自

          展覧会 #27 project N 96 ナカバヤシアリサ@東京オペラシティアートギャラリー

          展覧会 #26 松谷武判 Takesada Matsutani@東京オペラシティアートギャラリー

          今回東京オペラシティアートギャラリーを訪れた目的は、若手作家の育成・支援を目的として企画されている「Project N」という展覧会シリーズを観ること。でも美術館のメインは企画展なので先にそちらを鑑賞しました。 「具体」といえば、数年前にこの美術館で開催された白髪一雄の個展がとても面白かったことを思い出します。 展覧会は5章で構成されていますが、展示にはキャプションや解説がついていません。 紙の作品リストには各章の解説と見取り図に作品番号が付いたものが載っているので、それ

          展覧会 #26 松谷武判 Takesada Matsutani@東京オペラシティアートギャラリー

          コレクション展は楽しい #06 埼玉県立近代美術館

          埼玉県立近代美術館といえば椅子のコレクション。 前回訪れたときにの様子はこちらの記事に書いています。 今回も企画展・コレクション展を観つつ、展示室や館内に置かれたデザイン椅子にも注目しました。 2階 企画展示室 バルセロナ・スツール/ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ これは他の美術館でも見たことがある椅子。照明を落とした展示室の雰囲気に馴染んでいます。 ベンチ/ジャスパー・モリソン これはとても座りやすかった。 壁にもたれて座るのにちょうど良い奥行で

          コレクション展は楽しい #06 埼玉県立近代美術館

          展覧会 #25 生誕100年記念 芥川(間所)沙織展 軌跡を回顧する旅へ

          芥川(間所)紗織アーカイブ実行委員会により企画された 「Museum to Museums」は、全国 10ヶ所の美術館の展覧会の中で芥川(間所)紗織の作品を鑑賞できるプロジェクトです。 〈各美術館の日程〉 ①2024年4月18日(木)~7月7日(日)川崎市岡本太郎美術館(神奈川県) ②2024年4月20日(土)~6月16日(日)栃木県立美術館(栃木県) ③2024年6月8日(土)~7月21日(日)豊橋市美術博物館(愛知県) ④2024年6月20日(木)~7月21日(日)刈谷

          展覧会 #25 生誕100年記念 芥川(間所)沙織展 軌跡を回顧する旅へ

          展覧会 #24 没後30年 木下佳通代@埼玉県立近代美術館

          「吉田克朗展 ―ものに、風景に、世界に触れる」を観に行った際に次回企画展の割引券をもらったので、今年2回目の埼玉県立近代美術館に行きました。 没後30年 木下佳通代 会期:2024年10月12日(土)~2025年1月13日(月・祝) 埼玉県立近代美術館 さいたま市浦和区常盤9丁目30番1号 交通アクセス:JR京浜東北線 北浦和駅西口より徒歩3分(北浦和公園内) 木下佳通代は作品を通して「存在とは何か」という問いに向き合い、視覚と認識、存在と事物の関係性を表現した作家です

          展覧会 #24 没後30年 木下佳通代@埼玉県立近代美術館

          展覧会 #23 アレック・ソス 部屋についての部屋@東京都写真美術館

          アメリカ・ミネソタ州生まれの写真家アレック・ソス(1969年~)の個展を観に行きました。 6つの部屋に区切られた展示室には、初期から最新作まで約60点の作品が展示されています。 アレック・ソス 部屋についての部屋 会期:2024年10月10日(木)~2025年1月19日(日) 東京都写真美術館 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 Looking for Love  人々が集うにぎやかな場所でふと見せる虚ろな表情。心がどこかへ離れた瞬間を捉えた写真

          展覧会 #23 アレック・ソス 部屋についての部屋@東京都写真美術館

          展覧会 #22 カナレットとヴェネツィアの輝き@SOMPO美術館

          元は1976年に「東郷青児美術館」として安田火災海上(現・損保ジャパン)本社ビル内に開館した美術館。その後2度の館名変更を経て、2020年に「SOMPO美術館」として本社敷地内に新美術館棟がオープンしました。 私が以前訪れたときは本社ビル内の高層階の頃で、かなりご無沙汰していた美術館です。 今回は18世紀にヴェドゥータ(景観画)というジャンルで名を馳せたカナレット(1697-1768)の全貌を紹介する日本で初めての展覧会。 写真がなかった時代に観光と結びついて発展したとい

          展覧会 #22 カナレットとヴェネツィアの輝き@SOMPO美術館

          【スイーツ】BELTZ TOKYOのバスクチーズケーキ(東京・広尾)

          チーズケーキが大好きです。 先日、恵比寿駅西口から山種美術館へ向かう途中で見つけたバスクチーズケーキ専門店「BELTZ」。 そういえば数年前に丸井の催事で買ったことがあって、とても美味しかったことを思い出しました。 思わぬところで実店舗に出会えたのが嬉しくて、帰りに絶対立ち寄ろうと心に決めて美術館へ向かいました。 そして、美術館の帰りにお店へ。 店内に2つほどテーブル席があるので、一瞬イートインできるのかなと思いましたが、テイクアウト専門店でした。 レジで注文前にお店の方

          【スイーツ】BELTZ TOKYOのバスクチーズケーキ(東京・広尾)

          展覧会 #21 福田平八郎×琳派@山種美術館

          日本画家 福田平八郎 (1892年~1974年)の没後50年記念展覧会を観に行きました。 山種美術館では12年ぶりの開催となる今回の特別展では初期から晩年の絶筆に至る作品と、平八郎に影響を与えた古典として琳派の作品が紹介されています。 【特別展】没後50年記念 福田平八郎×琳派 会期:2024年9月29日(日)~12月8日(日) 観覧料:一般 1,400円、大学生・高校生 1,100円、中学生以下 無料 山種美術館 東京都渋谷区広尾 3-12-36 この日はあいにくの雨

          展覧会 #21 福田平八郎×琳派@山種美術館

          展覧会 #20 ルイーズ・ブルジョワ展@森美術館

          六本木ヒルズの巨大な蜘蛛の彫刻《ママン》で知られるルイーズ・ブルジョワ(1911年~2010年)の日本では27年ぶりとなる大規模な個展が森美術館で開催されています。 ルイーズ・ブルジョワ展 地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ 会期:2024年9月25日(水)~2025年1月19日(日)※会期中無休 森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 交通アクセス: 東京メトロ日比谷線 六本木駅 1C出口より徒歩3分 都営大江戸線 六本

          展覧会 #20 ルイーズ・ブルジョワ展@森美術館

          展覧会 #19 西川勝人 静寂の響き@DIC川村記念美術館

          2025年1月末で休館が決まっているDIC川村記念美術館の最後となる企画展を訪れました。 ※ひとつ前の記事に休館のことを書いているので気になる方はそちらもご覧ください。 今回の企画展はドイツを拠点に活動する西川勝人(1949年~)の日本初となる回顧展です。 彫刻、写真、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物、約70点が作家自身の構成によって展示されています。 西川勝人 静寂の響き 会期:2024年9月14日(土)~2025年1月26日(日) フィザリス フィザ

          展覧会 #19 西川勝人 静寂の響き@DIC川村記念美術館

          コレクション展は楽しい #05 DIC川村記念美術館 2024年9月

          2024年8月末に飛び込んできた美術館運営に関するニュースには驚きました。 https://pdf.irpocket.com/C4631/Rhyn/DBJg/TKxD.pdf この報告書によると、今後の検討案は下記の2つ。 ・東京への移転を想定した「ダウンサイズ&リロケーション」 ・美術館運営の中止 最終的な運営方針は2024年内に決定するとされていて、2025年1月下旬から美術館を休館することが決まっています。 私がDIC川村記念美術館を初めて訪れたのは2023年8月

          コレクション展は楽しい #05 DIC川村記念美術館 2024年9月