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土台
土台。
有名店の調理人やってたのが独立、開店した。
集客や接客の体験ない。学校出て30年以上調理場にいた。
経営もやってない。
土台がない。
だからやることなすこと、すべてとんちんかん。
一人1万、高級和食店なのに自分の好きなジャズを流す。
飲まないからワインの扱いがわからない。
白をきりりと冷やしてない。常温。それを置いて、客に自分で栓抜かせる。ご自宅か。
店の前は張り紙だらけ。年末年始の休業日営業日。見ると元旦は店開けるそうだが、ふだん客来ないのに正月元旦から素人の価格が高いだけの店に誰が来るのだろう。しかも手書きの文字がへたくそ。読む気になれないタイプの字。せめてワープロプリントアウトしようよ。
「開店記念セール10%引きは15日まで」というのがまだ残ってる。今日は23日。
土台が出来てないから、その上に何載せても、とんちんかん。
うまくいくにおい、全くしない。
マーケティングとは、客との出会い方・関係の築き方・耕し方の土台を作るものだ。
売る方法ではない。
2000年のインターネット浸透以降、従来のプッシュ型の「売り込み」は、はっきりとノイズになった。
その昔「顧客獲得なんちゃら」という一族がいてダイレクト・マーケティングと称し、見込みありそうな客のウェブサイトを見ては営業かけまくる手法を取ってた。メールや手紙のフォーマットは一族で決まってた。
これ、土台が違う思考。
効果あるはずない。特にSNS&スマホ以降、アテンション(注意)&パーミション(あなたは私にメッセージ送っていいですよ許可)獲得が最優先される。
みんな忙しい。スマホは見てるけど、わざわざ「特定のだれかの発信に行って読む」というのはよほどだ。例外と言っていいほど(noteフォローしてくださって、ありがとうございます)。
だから『たった一人本』でフォーカス・マーケティングを提唱した。
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狭く・濃く。
顧客にめがけてメッセージ投げるのではなく、顧客から手を挙げてもらう。
これ、『パーミション・マーケティング』以来ずっとこの24年間言い続けてるんだけど、まだ浸透してない。
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「世界観」というのも、言い換えれば土台。
「基礎とどう違うんですか?」
基礎以前の話で、たとえば、家を建築計画するとき、平屋、二階建て、三階建てで、それぞれ暮らしのスタイルが違うでしょ?
まず、何階建てにするか、決める。これが土台。
そういえば、建築物の基礎に「定礎」というのがある。
あれです。土台。
今朝通勤途上、気にしながら歩いてたら、簡単に3つ見つかった。
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コピーの勉強をいくらしても、立ってる土台が違うと、的を射ることができない。
だからぼくは塾生に、手を変え品を変え、土台の話をする。世界観とかあり方とか言葉は都度変わるけど。
この店、土台がしっかりしてる。
だからいつもこういう風に、コピーが刺さるんだ。
少ない言葉で、ヘタウマイラストで。
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さて、ホリデーシーズン。
『トイ・ストーリー3』がぼくは一番のお気に入り。
おもちゃへの愛、子どもが成長する喜びと共に愛したおもちゃたちとの別れ・・・これは大人のドアを開くことの「ワクワク&だいじょうぶかなあ」という気持ちとコインの裏表だ。
この感情が土台となって素敵な物語になってます。
観たよ、という人も、もう一度観ると涙、涙。感動しますよ。
おすすめです。トトロも出演。
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