ちゃんと勉強してね。しないだろうけど
最初は「機能」から入る。
つまり
あなた、何屋さん?
だ。
その意味で、この店はわかってる。
foodscape! という濃いファンのいる人気店なんだけど、キャノピー(看板)に担わせる目的は「知ってもらう」こと。「ここにパン屋があるよ」と「知らない人に知ってもらう」という原理原則だ。
知ってる人は看板なんか見る必要ないわけで。
つまり、「機能」から入る。「知ってる人=すでにブランドゾーンの中に入っている人」への発信は、店内や商品で提案すればいい。
ここまで、「ふむふむ、そうだよね」と納得いただけると思います。
ところが世の中、そうはなってない。「狙う相手の混線」が起こってる。
「まずは機能で入る、ブランドは2番目」という順番を押さえない。
あるYouTuber。
自分のライフスタイル・・・生活、料理、外出、買い物などを見せてる。チャンネル登録者数65.6万人。インスタフォロワー7.8万人。
ここで勘違いしちゃうんです。
昨日、新しい動画見てたら、「オリジナルブランドの冊子、パッケージが届きました」と箱を開け、中身取り出す。小瓶がいくつか出てくる。何なの? 化粧品? フレグランス?
この段階で、「あ。これ、失敗するな」。
ぼくは起業家の応援団長。新しいビジネスを起こすのは自分自身を表現するアート。どんどんやればいいと思う。
でも、文法は守ろう。
基礎となる文法。
さっき言った「一に機能、二にブランド」もそうだけど、そもそもの話で、すでにプレイヤーがたくさんいる試合には出ない
たとえば基礎化粧品ならキールズが圧倒的に強い。
クリームと保湿液のリフィル二つ買っただけで3万円超えするけど、お客さんはバンバン買ってる。店に簡単に入れない。整理券もらってから。
ここ(基礎化粧品市場)にあなたが「始めましたー!」と旗立てて、誰かに気づいてもらえるだろうか。
YouTubeチャンネル登録者はあなたの動画がタダだから見てる。
お金出してない。
いくら65.6万人、インスタフォロワー7.8万人いても、彼らは一円たりともお金払ってない。
狙う対象ではないのだ。
タダでは見るが、金出すかというと別の話。
仮に、「応援」という気持ちで最初の一回は買ってくれるかもしれない。
でもそれが5年続くか? 10年先も買い続けてくれるか?
無い。キールズは165年買い続けてもらってる。科学が違うのだ。再現性の。
あなた、YouTube屋さんですよね?
化粧品屋さんではないですよね?(あなたが始めようとするオリジナルブランドが化粧品だとして)
手ぶらで、イチから試合を組み立てていかないといかんのですよ。
ぼくは独立起業したとき、社名をPalmtreeとした。ハワイのヤシの木が好きだから。ニューヨークで登記する際、日本でいうところの司法書士さんが「ニューヨークにはカフェやレストランではPalmtreeは登記されているけど、コンサルティング会社ではなかったですよ」と笑ってた。マンハッタンにいる士業としては、人のいいアメリカ人だった。
ほんらいなら、「Palmtree Consulting」とでもするのが常識だ。
あなた、何屋さん?
がわかるから。
コンサルティングなんだね、と。
でも、それがわかっていながら、敢えてやらなかった。
なぜか。
仕事が増えるとイヤだから(笑)
JOYWOWも、何やってる会社かわからん社名だ。
仕事が増えるとイヤだからこのままにしてる。
おかげさまで快適な仕事量で過ごさせていただいています(笑)
あと考えられる理由として、ぼくは「あるある」に縛られるのが生来向いてない。
大学学部選ぶときも、当時文系で、その先就職考えるのなら「経済学部」が「あるある」だった。
文系、就職考えていたけど、「あるある」いやだから「人間科学部」という、わけわからんところを選んだ(これは遺伝したようで、うちの子どもは神学部(笑))。
SNS人気者の勘違いがこれからもどんどん増えるだろう。
ちゃんと勉強してね。しないだろうけど(毒)。