手から手へ。本が動いた
大きな資本が背景にいない独立系の書店。
家賃があまりに高くなってやってられない。引っ越します。
寄付金で工面し、銀行が入っていた跡地に新店舗を引っ越すことになった。いまの店からは150メートル先だ。
気づいた。
とても大事なことを。
本の在庫が2000冊ある。
これ、新店舗までどうやって運ぶ?
この時点で予算は使い切ってしまってる。
この書店は1977年の開店以来コミュニティを作ってる。
コミュニティメンバーに声をかけた。
250人が集まり、人のチェーンを作って、手渡しで本を新店舗へと運んだ。
こんな感じ
これ、October Booksという、イギリス、サザンプトンにある書店の実話。
実は新店舗、購入した。コミュニティメンバーからの寄付が£487,800集まった。現在の日本円に直すと93,724,633円、9,300万円だ。
箱(新店舗)購入費用も、箱の中身(本)引っ越し費用もコミュニティメンバーが出したことになる。
こうなると、October Booksの所有権の実質的な意味は、コミュニティメンバーにあることになる。
そしてこれこそ、現代の「集客の科学」の本質といえる。
自分たちで運んだ「本=商品」なら、自分たちで買うだろう。
自分たちで整えた新店舗なら、通うだろう。
集客を「科学」にするための第一条件がコミュニティを作る。
その好例なのでご紹介しました。