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数字よ、安らかに眠れ

会社やビジネスで使う数字って、「数値化できるもの」「数値化しやすいもの」が数字として出ているだけだ。売上総利益率、営業利益率、変動費率、固定費、損益分岐点売上高、サイトの訪問者数、各商品のクリック数、セッション 、ページ/ビュー数(PV数) 、ページ/セッション、平均セッション時間、直帰率、カート落ち ・・・出せるもの、分析できるものが、ここには並んでる。

数値化したからといって、商いの魂がうまくいくはずはない。例で話そう。あなたは高校生。

同級生の女の子(男の子)が好きになった。彼女(彼)と電車で出会う回数、教室で笑顔を交わす回数、その中で目をしっかり見つめ返してくれた秒数・・・これら全部数値化しようとすればできる(しないけど(笑))。でも、数値化したからといって、彼女(彼)が自分を好きかどうか、つきあってください、とお願いしてオッケーかどうかはわからない。人の気持ちは数値化できない。

*写真はイメージです(うちの娘ではありません)

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こういう話ならみんな「そうだよねー」となる。しかし会社ではスプレッドシートをこねくり回してる。意味ないんだよ。

実は昨日、決めたことがある。行きつけの美容室を変える。なぜか。なんだろうなあ・・・「離婚」って字が浮かんだんだよ。考えてて。どっちが悪い、というのではなく、「合わない」んだ。合わない。楽しくない。前回、そしてあれが最後になるのだけど、「カタチばかりの」「こころの入ってない」マッサージで肩に触れられるだけでも怖気(おぞけ)がした。だから「離婚」というのがぴったりなんだ。次どこの美容室にするとかいうのは決まってない。でも、いやなんだ。こういう人の気持ちってやつは、数値化できない。どんなに数字を眺めても、出てこない。

商人とお客様って、そういうものじゃない? 恋愛みたいなもので。

JOYWOWの近所に出来たカフェ。たった一つの店が生まれただけで、界隈のブロックを一変させた。そのカフェも数値化できるものを分析しようとすればできる。しかし、だからといって、近くにある同じ頃オープンしたラーメン屋が鳴かず飛ばずであることとの比較理由にはならない。とんがったカフェと生ぬるいラーメン屋という形容詞の方がよほど芯を突いている。あのカフェには数値をぶっ飛ばすだけの価値がある。

言い方を変えると、「数値でしか語れない商い、店、ビジネスは、その程度のもの」なんだ。数値は横に置いて、「いやー。それがさー。すごくいい店見つけちゃってさ」と人に語りたくなるようなものがあるかどうか。それを創造するのが、商人(あきんど)の喜びだよね。

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