瞬間にこころをとどめる
勉強の方法について。
ぼくは勉強が得意だ。ではどうして得意なのかというと、瞬間にこころをとどめる技を持っているから。
どういうことか。
たとえば、あと5日後に大事な試験があるとする。5日の間にできる勉強量を測定し、それで合格ラインに到達できるかどうか見る・・・ことはしない。
大事なのは今日、何ができるか。何をするか。5日分の勉強の計画表を作り、今日はここまで、明日はここまで・・・とやると、計画表を超えられない。計画表通りにやったのが仮に10とすると、10以上にならない。目指すべきは10ではなく、創発なのだ。勉強しているうちに、「あ、そういえばこれはどうなっているんだろう」「これについてもっと知りたい」・・・
いまのぼくがそれで、サクセス・ブレーンを理論化するにあたり、やはり脳の研究が必要とわかり、認知神経科学の父、マイケル・S・ガザニガの本を再読する。
そういえば、学習ということの身体的アプローチを読んだことがあったなと、この本をもう一度読み返す。著者のジョッシュ・ウェイツキンはかつてチェスの神童と呼ばれた(映画『ボビー・フィッシャーを探して』)。太極拳へと転向し、世界大会のタイトルを取る実力者になった。彼の強みは「学習の技化」だ。
創発にも浅いレベルのものと深いレベルのものがある。浅いレベルの創発は要素分析できる。つまり、「ああ、これがあるから、こうなったのね」因果関係が結べる。ニュートン力学が支配する世界だ。しかし、深いレベルの創発は無意識が支配する、量子力学の世界で生まれる。要素還元ができない。なぜこんなアイデアが生まれたのか、説明できない。
ジョッシュ・ウェイツキンは言う。
単に優秀なだけのプレーヤーと偉大なプレーヤーの境界線は、心をしっかりと今という瞬間にとどめ、意識をリラックスさせて、何の妨げもなく流れるように無意識を活用できるかどうかの差にある。
創造とはそういうもので、要素還元できるレベルでは創造とは言えない。
マーケティングが何か変になってきている。これまでのマーケティングでは効かない。どうすればいいのだろう。でも、言語化しようとしても、うまくできない・・・そのカオス状態からやがて顔を出したのがフォーカス・マーケティングだ。
SNSとスマホが浸透すればするほど旧来の組織というものが変容する。
このようなメモのなぐり書きから生まれたのが『共感企業』。
そしていま、目標達成術としてサクセス・ブレーンを理論化しよう勉強している。勉強というより、創造の話みたいになってるけど、根っこは同じ。ただ単に知識を脳に詰め込むだけならAI(人工知能)の方が得意だ。そうではなく、何かを生み出すための創発を目指す。そのためには、いまという瞬間にこころをとどめる。焦る必要はない。時間はいつでもぼくたちの味方だから。
*明日から土曜日までnoteはお休みします。バックナンバーをお楽しみください。