ぼくには何の看板もなかった
会社を卒業し、独立起業する時点、ぼくには何の看板もなかった。
ほら、「リッツ・カールトンで支配人やってました」とか「ディズニーランドでミッキーやってました」とか。みんなが「ハハーッ」とひれ伏すような看板。
「旭化成の建材部門で営業部長代理でした」
では、「そうですか」。終わり。
以来25年間、ずっと「集客」と「販売」やってきた。
勉強会を企画したら「集客」、本出したら「販売」。
あ。そういえば、アマゾン全体で3位に上がって、理由がわからないものの喜んでます(笑) 成瀬より売れてるんだから、嬉しいよね。
25年やってきてわかったのは
「看板」はいつか効果が消える
ということ。
「元」〇〇出身 というやつね。
これって、集客や販売の本質を教えてくれている。
人が大切なお金を使って「買う」ということは、「看板」じゃ、続かない。
また、世の中、変わる。人の価値観、変わる。人口構成変化によって、働き方も変わる。
「安い時給で若いアルバイトをこき使う」という発想でやってきた店舗(ファーストフードやファミレス、コンビニ・・・・)はいま、人手不足で困ってる。
「安い時給で若いアルバイトをこき使う」というビジネスモデルが賞味期限切れになったことがわかる。
ぼくが25年間やってきたことは、ジョブ・クリエイション、仕事の創出だ。
個人の名前を冠したビジネスパースン向けの塾「阪本塾」を発明し、参加者のコミュニティを作り、みんなで遠足したりパーティしたりした。
JOYWOWになっても同じで、MAIDOにせよ、何にせよ、コミュニティを作ってきた。
発信方法は、テクノロジーの進化に応じて変えた。
1995年から2009年頃まではメルマガ。
以降、ブログ、ツイッター、フェイスブック・・・
仕事の創出といっても、誰かが「欲しい!」と思ってもらえる価値を創出しなければ、「仕事」にならない。「趣味」で終わる。売れないから。
25年間のフリーランスの歴史は、言い換えれば「25年間の集客の歴史」と言っていい。集客は誰かが「欲しい!」と思ってもらえる価値創出で決まる。
先に言ったように、「看板」を軸に「集客」するのは効果に永続性がない。
同じく「評判」「人気」「流行」は軸にするとケガする。
2024年の夏、タピオカ欲しい、という人は限定的だ。それはタピオカがある日突然美味しくなくなったわけではない。なぜかわからないが、流行が終わってしまったから。そう、流行は理由がわからない。なので、科学にならない。
フリーランスになったばかりのときは『パーミション・マーケティング』がよく売れていた。言ってみれば「パーミションといえば阪本」だった。
それに気をよくして『パーミション・マーケティング2』とか『続・パーミション』なんてのを出していたら今頃消えてた。
次々とテーマを変えてきた。当たったのもあれば、大きな三振もあった。
ただ、軸としてコツコツ作ってきたものがある。それが「仕組み」。
ぼくの場合は、コミュニティだ。
仕組みこそが「こうすれば、こうなる」という科学になり得る。
お寺のビジネスモデルも賞味期限切れになっているようだ。
「ちょうどお盆の今頃、お坊さんが檀家を回ってモニョモニョ読経し、お布施をもらう」というビジネスモデルが劣化してきた。
お寺にあるお墓をやめる、という人が増えてきている。
だからお寺としても、ビジネスモデルの更新をしなきゃならない。
関東の某お寺はリエゾンプロジェクトを利用して、敷地内にパン屋を開こうと計画中だ。リエゾンプロジェクトというのは「5日でパンが焼けるようになる」という革命的な開業支援。
JR大阪駅に開業したKITTE自販機で見かけた「和尚の念入り薬膳カレー」(笑)
お寺に限らず、ビジネスモデルは常に更新しつづけなければ市場から退去させられる。
この夏は、そこんところをじっくり考え、行動する時間にしたい。
ぼくはいま得意な収支計算シュミレーションに励むつもりだ。
これは集客の科学に必須のスキルで、できれば全事業者が身につけてほしいと思っています。