ぽわっとした話
暑いよね。Tシャツ短パンでこれ書いてます。
新潟から来てくれ、と言われたけど、「今年1月雪でエラい目にあったから行かない、あったかくなってから」。この分じゃ、行けたかもね。
明日から長期出張で、パッキング済んでる。あれじゃ暑いかも。でもいまからやり直すのはめんどくさいから、汗かくつもり。
THE MANZAI 2023、フジテレビなので、チャンネル合わせたらまだ時間早くて『サザエさん』やってる。何年ぶりかで観た。
何を観たんだろう、というのが感想。
黒電話、もはやどこにも売ってなさそうな旧式テレビ、家の鍵・・・
令和の子どもには、理解不能な舞台設定だろう。
マスオさんが終バスに乗り遅れ、お父さんも何かで帰りが遅くなって、二人とも家に鍵かかってて入れない・・・
LINEすりゃいいじゃん。てか、そもそも男たち、なぜ鍵持ってない。
ぼくがフジの社員で、「サザエさん担当」に異動したらアタマ抱えると思う。無理だよ、もはや。
さすがにサザエさんが買い物行った先ではカート使ってたけど、にしても、「財布を忘れて愉快なサザエさん」スマホ決済あるし。もう、ツッコミどころ満載だなあ。
いやー、あの番組、もう、きついね。
それで連想するのがアメリカの『シンプソンズ』。うちの子どもはこれで英語身につけた。DVDボックス、何個もある。ホノルルでマンガ版買ったり。
同じ家族ものだけど、こちらはアメリカの闇&病がネタ。だから主人公の職場は原発だし、社長はお金の亡者。最新の時事を取り入れアップデートしてる。
では「サザエさん」を最新の時事でアップデートすると成立するか、というとわからない。
シンプソンズもサザエさんも笑いのコンテンツだけど、種類が違う。シンプソンズは毒だし、サザエさんはほのぼの。
笑いの質について考えた。
THE MANZAI登場したのはベテラン勢が多いけど、さっぱり面白くなかったから。ベテランたちはバラエティの司会などがメインの仕事になってて、錆(さび)てる。
テンダラーがやはり一番面白かった。ぼくにとっての漫才とは、これ。
『女芸人No.1決定戦 THE W』も観たが、エルフ応援していたのに紅しょうがに負けてしまった。
関東の笑いと関西とは質が違う。
関西、特に大阪はサッカーでいうところのブラジルで、ものごころついた頃から自然に「アホな話」が周囲にある。まわりのおっちゃんおばちゃんがアホな話するから、呼吸するように身体に入ってる。
尼崎の潮江商店街、魚屋店頭にかっぱがいた。
昭和44(1969)年、今日みたいに年末、今日と違って寒かった。
小学5年生のぼくがびっくりしておっちゃんに「これ、どこでとったん?」
おっちゃん「当てたらやるわ」
「いらん。かっぱなんか、いらん」
「しゃあないなあ。和歌山知ってるか」
「知ってる」
「和歌山の先っぽでおっちゃん、とってきた」
「ウソやろ」
「ウソちゃうわ。ほんまや」
聞いてたおばちゃんがぼくの顔を見て「ほんまらしいで」
おばちゃんも買い物客、知らん人やけど。
「当てたから、このかっぱやるわ。持って帰り。いま寝てるけど、起きたらきゅうり食べさせたって。新聞でつつもか」
なんか、ヘンなもんに巻き込まれた感じがして、胸がドキドキした。当ててへん。魚屋のおっちゃんが自分で言うた。かっぱ怖い。いらん。ぜったいいらん。今日はペン買いに来ただけやのに、かっぱ連れて帰ったらおかん、何というやろ。ごはん代かっぱ分よけいにかかるから、言うて怒るやろなあ。学校行くんかな。
まごまごしてたらかっぱ押し付けられる。「いらんいらんいらん」ついに泣き声になった。
魚屋「泣いてもた。どないしょう」
さっきのおばちゃん「イカちょうだい」買い物始めた。
魚屋「へい。どれがええやろ。これかな、奥さん」
置いてきぼり。
仕方なく、ぼくはそのまま文具店へ行って、ラッションペン買って帰った。
昭和の尼崎は、そういう街だった。
ん? 何の話でこうなったんだっけ? ま、いっか。たまにはぽわっとした話も。