どうでもいい正解より面白そうなフェイク
少女マンガ、主人公の女の子が「遅刻ちこく〜!」なんて叫びながら、パンくわえて走ってる。
角でバーンと男の子とぶつかる。後でその子が転校生ってわかるっていう。
女の子はタテにこうやって走ってる。
男の子はヨコにこうやって歩いてる。ふたり、直角にぶつかる。
じゃ、学校ってどこ?
M-1グランプリ2023トップバッター令和ロマンのネタ。
これでやられた。
優勝した。
M-1は毎年観てる。発想の勉強と時代変化のアンテナになるから。
いわゆるボケ・ツッコミのクラシックスタイルな漫才は2019年のミルクボーイで終わった。令和ロマンのスタイルも、クラシックとは遠い。シュールで攻撃的な発想。ボケ役・高比良くるまが言ったオチが好きだ。
「どうでもいい正解を愛するよりも面白そうなフェイクを愛せよ」。
ちょうど来年のメディア・コミュニケーションがどうなるか考えていた。
簡単に言うと、発信戦略。
Horizontal successは水平的サクセスであり、あまねく広まる。これをヒットという。
松下幸之助さん「水道は世の中に広まった。うちの製品もそのように隅々まで広まって欲しい」昭和の話だ。子どもから大人までみんなに愛されたい。
「一億人の東芝テレビパブリック〜♪」というテレビコマーシャルもあった。
その東芝、上場廃止(2023.12.20)。
時代は変わった。
いま狙うべきはvertical success垂直的サクセスであり、ニッチに愛される。
令和ロマンは間違いなくニッチ狙いの知性を備えた新時代の漫才コンビだ。
さや香も可能性を感じた。決勝2つ目、置きに行かずあのシュールなネタをやる勇気は好きだ。
そしていま、大事なのはどうでもいい正解より面白そうなフェイク。
LINEがきてるから何かと開いたら
卵ですよ。それで金運大吉祈願だって。金箔ラベル付き。
こういう、面白い話が大好き。だからこのお店は繁盛するんだなあ、と思った。
大事なことなので、もう一度繰り返します。
どうでもいい正解より面白そうなフェイク。