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「選びやすく」「選ぶ理由」
今日はマーケティング、いきます。
マーケティングを専門職として22年やってるんだけど、やはり時代と共に求められる価値が変わった。
ぼくは以前、ビジネスチャンスの見つけ方は「不の解消」とやってた。不安、不満、不便を解消する価値提案がビジネスチャンスになると。しかし、社会が成熟し、物流も整った今、「不の解消」ではつまらない。マイナスが水面になるだけで、プラスにならない。
たとえば、今をときめくアマゾン。結局あれも「届ける」という価値だ。他のネットショップの多くも、「横浜住んでるけど鹿児島の水が手に入る」「大阪住んでるけど新潟の野菜が食べられる」という「届ける」価値にとどまってる。昨今の環境で、「大型家電量販店に行くのが抵抗あるけど、自宅にいながらヘルシオを選んで、買える、しかも最安値ショップを選んで」という不の解消だ。そこにとどまってる。
もはやぼくたちはそこでとどまっていられない。
喜びを増やす何かを創意工夫しなければ、価格競争になってしまう(さっきのヘルシオのように)。
マス・マーケティングが盛んな頃は「注意をこっちに向ける」ことが最優先だった。なので、コマーシャルソングや映像に工夫をこらした。
特にコカ・コーラのコマーシャルは、「人生、楽しいことしかない!」って感じがして、勇気もらえた。男女雇用機会均等法がようやく定着し、女性の社会進出が目に見えるカタチになっていた。その社会背景も描写していて。
マス・マーケティングでは、「注意をこっちに向ける」→「買ってもらう」の順番。基本にあるのが「販売=Selling」。
ところが、SNSとスマートフォンが普及すると、一人ひとりの手のひらが広告モニタであり、キャッシュレジスターになった。
興味関心(インタレストや価値観)が共通している人たちで、目には見えないけれど、コミュニティやエコシステムができている。たとえば、JOYWOWやMAIDOのエコシステムの中だけで、ビジネスが成り立っている。その中にいると「注意をこっちに向ける」必要はないし、「買って」とお願いする必要もない。そこに必要なのは「選ぶ理由」だ。基本にあるのが「選ぶ=SelectionまたはChoice」。
クラウドファンディングという、新しい購買方法も生まれた。あれは資金提供であると同時に購買活動でもある。クラファンのオーナーに求められるのは、支援してくれる人が「選びやすいようにしてあげる」ことだ。「自分で選んでね」だと弱い。成功するクラファンは、きめ細やかに「選びやすく」「選ぶ理由」を教えてくれる。
「選びやすく」「選ぶ理由」「Selection」「Choice」
これ、いまのビジネスでとても大事な部分で、たとえば、一年間新しい服を買わなくても困らないくらい、服は家にある。それでも「喜び」を提案し、「選びやすく」「選ぶ理由」をしっかり伝えるなら、服は売れる。
「選びやすく」「選ぶ理由」に集中してみよう。