営業時間
やはり閉店した。
ホテルの靴磨き店。
「やはり」の根拠は明確だ。
営業時間。
ホテル一階にある。想定顧客は宿泊客。
ところが営業時間は午前10時30分から19時まで。日曜休み。
その時間、宿泊客は出かけてる。
ホテルの外からわざわざわかりにくいこの店に来る人はいない。
なぜ、逆にしないのか。
19時から10時半まで。夜中、やってます。
部屋の外に出しておいてくれたら、朝、きれいに磨いてお返しします。
確実に、需要はある。ホテルと組んで、その分多めにマージン渡せばいい。
セントレジス大阪のバトラーサービスでは部屋の中に靴を入れるスペースがある(外から出せる)。
朝、そこに磨かれた靴がある。
閉店した理由が、靴磨き店の提供価値「靴磨きサービスの品質」と100%関係ないことに怖さがある。
店のオーナーは自分の腕を磨き、接客技術を高める努力を惜しまなかったはずだ。
ところが、店を動かす「経営の軸」はまるで違う動力で動いていた。
「営業時間」というのは、それほど重要で、怖い動力になる。
贔屓にしてた学芸大(JOYWOW学問所があった)のうどん屋もそうだ。
ここは愛想良くて、うどんがとても美味しい。
ところが、休みがバラバラ、営業時間もあいまい。
行っては休み、ということが何度もあった。
しまいにはアテにできなくなり、選択肢から外れた。
近所のワイン屋。土日祝日休み。
周囲にはタワーマンションが5本ある。徒歩圏内スーパーマーケットは1つきり。しかもそこのワインは貧しい品揃え。1,000円以内の美味しくないものばかり。このスーパーは「安く、消費期限は長く、美味しさ二の次」といういまの流通のバージョンダウン姿勢を代表している。
ということは;
市場を独占しているのと同じ。
土日祝日こそ、タワマン住民が「ちょっとワインでも見てこようか」となるでしょう。平日は働いてるんだよ。
JOYWOWは勉強会をやってる。これも変化がある。
MAIDO始めた12年前は、「週末しか参加難しいです」だった。
ところがこの秋から始めたMAIDO being、試しに火曜日コース、土曜日コース設けたら、火曜日の方が多い。時間は午後。
オンラインの読書会、3月からやってる。こちらも平日と週末2種類用意しているのだが、参加者は平日の方が多い。14:00-15:30という時間なのに。
これは働く環境が変わったんだろうね。
営業時間、定休日を見直してみては、というお話でした。ちゃんちゃん!
ところでいま、これにハマってます。『ムービング』(무빙)。
オンマ(お母さん)、どこかで見た人だと思ったらハン・ヒョジュ(『華麗なる遺産』『トンイ』『W-君と僕の世界-』『ビューティ・インサイド』)。
これまで「きれいなお嬢さん」役ばかりだったのが、化粧っ気ゼロ、生活にしっかり根を下ろしたオンマ(온마)役が見事。
エグいシーンもあるのだけど、転校生チャン・ヒス(『還魂2』で脚光を浴びたコ・ユンジョン)と主人公ボンソクとの心の交流が可愛く、美しい。
ヒスの父親役がリュ・スンリョン、傑作映画『エクストリーム・ジョブ』でやってたチキン店を今回もやっているのが味わいどころ。
超能力がポイントではなく、「違い」として克服していく。
子どもたちが成長する美しい青春ドラマとして、観ています。